こんにちは、ホーチミン事務所の嶋航です。今週はベトナムにおける時間外労働について記載します。
時間外労働は、最長1日の勤務時間の50%を超えることはできず、8時間労働の場合は、1日4時間までの残業となります。また、1カ月で30時間、年間200時間以下でなければなりません。政府が規定する特別な業務のみ、年間300時間まで認められます(106条)。時間外労働をさせた場合には、会社は労働者に対して通常の賃金に加え割増賃金を支払わなければなりません。時間外労働の対価として、支払う割増賃金は下記の通りとなります(97条)。
【時間外労働の割増賃金】
時間外労働を行った日 |
割増賃金 |
通常の労働日 |
150% |
週休日または祭日 |
200% |
法定祝日および有給休暇中の労働 |
300% |
また、深夜労働時間に労働を行った場合、深夜労働手当として通常の賃金の30%相当を通常の賃金に上乗せして支払わなければなりません(97条)。
【深夜労働の割増率】
深夜時間 |
割増賃金 |
午後10時~翌日の午前6時 |
130% |
深夜労働時間に時間外労働をした場合の割増賃金は次のように計算します。
【深夜労働時間の時間外労働の割増率】
夜間 |
平日 |
休日 |
祝日 |
深夜時間外労働の割増賃金 |
195% |
260% |
390% |
深夜時間外労働の割増率の計算根拠は下記のようになります。
(例)平日4時間(20時~24時)の時間外労働を行った場合
20時~22時の2時間×通常の賃金×150%
22時~24時の2時間×通常の賃金×150%×130%=195%
深夜労働は、以下に該当する労働者は、労働法上残業または深夜の就業が禁じられています。
・妊娠7カ月以上の女子労働者
・満12歳未満の子の養育をしている女子労働者
・労働能力の51%以上を失った身体障害者
・未成年労働者(ただし、労働傷病兵社会問題省の定める職業・職務を除く)
ベトナムは時間外労働の手当が多く、企業の負担になってしまうため、効率的なオペレーションが求められます。
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