ベトナム進出の具体的な実務手順⑦

こんにちは、ホーチミン駐在員の嶋です。
前回までは、会社設立の実務的な手順を見てきましたが、今週は設立後に必要な手順について見ていきたいと思います。
⑧ライセンス取得後に必要な業務
晴れてライセンスを取得した後も多数の必要な業務があります。下記のいずれも外国法人に義務付けられているものであり、怠るとペナルティになることがあります。
【ライセンス取得後の業務】
①会社印の作成
公安局にて、ライセンス発行直後に会社印及び印鑑登録証明書を取得します。
②税コードの取得・登録
投資証明書発行後、10日以内に管轄の税務署にて税番号の登録を行います。同時に税務登録証明書を取得することになります。
③会社設立の公告(新聞、または電子新聞にて)
投資証明書の発給後、30日以内に、会社設立の告知を新聞または電子新聞にて3回行います。告知内容は、会社名、住所、事業内容、資本金の額、代表取締役などの情報です。
④銀行口座の開設
定款に記載した資本金を振り込むため、会社設立後ただちに銀行口座を開設する必要があります。また資本金の口座のほかに取引用の口座を開設する必要があります。資本金の口座と取引用の口座は、通常分ける必要があるとされていますが、実務上は銀行によって異なるため、事前に取引き予定の銀行に確認しておく必要があります。
銀行口座開設に必要が書類には下記のものがあります。

⑤VAT(付加価値税)インボイスの購入
ベトナムにはレッドインボイスと呼ばれる領収書兼請求書が存在します。こちらは政府指定の領収書兼請求書となり、こちらがないと費用計上が出来ないという厳格なルールがあります。指定の印刷業者から購入するか、自社で作成することもできます。いずれの場合であっても税務署に使用許可申請をしなければなりません。
⑥会計年度の通知、会計システムの登録など(設立の翌月20日までに)
※下記を税務署に通知、登録する必要があります。
1. 会計期間、
2. 固定資産償却方法、
3. 棚卸資産の記録方法、
4. 会計方針、
5. 仕訳帳の様式の選択、
6. 使用予定の会計ソフト
⑦法人社会保険登録
ベトナム人スタッフを採用する場合には、社会保険及び健康保険に加入させる必要があります。加えてベトナム人スタッフが10名以上の場合は失業保険の加入義務があります。
⑧VAT付加価値税の計算、申告(毎月及び年一回、ゼロでも申告義務あり)
⑨個人所得税の計算、申告(毎月、給与発生の翌月から、年一回確定申告あり)
⑩四半期法人税の計算、申告(申告は四半期一回四半期決算の申告、売上ゼロでも申告の義務あり)
⑪日本人従業員の労働許可証の取得(投資家以外の全日本人従業員)
⑫ビザの取得
⑬労働契約書の作成(雇用開始とともに)
⑭就業規則の作成(従業員10名以上の会社)
⑮資本金の振り込み(設立後一年以内)
⑯会計監査(年度決算終了後)
ベトナムでは、会社設立後も様々な手続きがあり、この多くが税金や会計に絡むことです。手続きをしないとペナルティになることも多いので、専門家に確認した上で業務を進める必要があります。
以上①から⑦とベトナムでの会社設立の詳細を見てきました

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