- 2026-3-6
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皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の清水信太です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「ベトナム会社設立完全ガイド」についてお話していこうと思います。
ベトナム進出を検討する日本企業経営者のための実務ガイド
近年、ベトナムへの日本企業の進出は急速に加速しています。2020年代に入ってからも年間400件以上の新規投資案件が認可されており、製造業だけでなくIT・コンサルティング・小売業など、あらゆる業種でベトナムへの現地法人設立が活発化しています。しかし、ベトナム会社設立には日本とは大きく異なる法制度・行政手続が存在し、事前知識なしで進めると大きなトラブルに発展するリスクがあります。
本記事では、ベトナムでの法人設立を検討している日本企業の経営者・担当者向けに、資本金の設定方法、設立費用の総額、手続きの流れ、よくある失敗例まで、実務レベルで判断できる情報を徹底的に解説します。
① ベトナム会社設立の基礎知識
ベトナムへの進出を検討する際、まず知っておくべき基礎情報を整理します。ベトナムは社会主義共和国であり、外国資本に対してはWTOルールや二国間協定に基づいた参入規制が存在します。ただし、近年の規制緩和により多くの業種で100%外資による法人設立が認められています。
外資規制の概要
ベトナムへの外国直接投資は、2020年投資法(改正版)に基づいて規制されています。業種は大きく3つに分類されます。
| 分類 | 内容 | 主な対象業種 |
| 外資禁止業種 | 外国資本の参入が一切認められない | 麻薬製造、一部の安全保障関連分野 |
| 条件付き開放業種 | 外資比率の上限や合弁要件あり | 通信、小売、運輸、金融、教育など |
| 完全開放業種 | 100%外資での設立が可能 | IT、製造業、コンサルティング、物流など |
条件付き開放業種では、業種によって外資比率が49%以下に制限される場合や、合弁会社(ジョイントベンチャー)の設立のみが認められる場合があります。自社の事業が該当するかどうかは、事前に専門家へ確認することを強くお勧めします。
会社形態の種類
ベトナムで外国企業が設立できる法人形態は主に以下の通りです。2021年施行の企業法(統一企業法)に基づきます。
| 形態 | 出資者数 | 特徴 | 外資企業の採用率 |
| 一人有限会社 | 1名 | 最もシンプルな機関設計。出資者1社で完全管理可能 | ★★★★★(最多) |
| 二人以上有限会社 | 2〜50名 | 複数の出資者で設立。社員総会で意思決定 | ★★★★(次いで多い) |
| 株式会社 | 3名以上 | 株式の譲渡が自由。資金調達に向く | ★★(少数) |
| 合名会社・私営企業 | 制限あり | 無限責任。外資企業にはほぼ不向き | ★(ほぼなし) |
日本企業を含む外国企業の大多数は「一人有限会社」で設立します。親会社(日本法人)が100%出資する最もシンプルかつ管理しやすい形態です。株式会社は最低3名以上の株主が必要なため、一般的ではありません。
現地法人と駐在員事務所の違い
| 比較項目 | 現地法人(有限会社等) | 駐在員事務所 |
| 法的地位 | 独立した法人格あり | 独立した法人格なし(親会社の延長) |
| 事業活動 | 独自の営業・売上計上が可能 | 市場調査・連絡業務のみ(直接の営業不可) |
| 契約締結 | 自社名で契約可能 | 原則、親会社名義で締結 |
| 設立難易度 | やや複雑(IRC+ERC取得) | 比較的シンプル |
| 資本金 | 必要 | 不要 |
| 年間コスト目安 | 200〜500万円以上 | 50〜150万円程度 |
| 適した用途 | 本格的なビジネス展開 | 市場調査・情報収集・進出前の準備 |
本格的にベトナムでビジネスをする場合は「現地法人」の設立が必須です。駐在員事務所は売上を計上できず、営業活動が厳しく制限されています。ただし、まずは市場を調査したいという段階では、コストを抑えて駐在員事務所からスタートするケースもあります。
② ベトナム会社設立の資本金
ベトナム会社設立において「資本金をいくら設定するか」は、ビザ取得・事業ライセンス・資金繰りに直結する最重要事項の一つです。ここでは法律上の最低資本金から、実務上の推奨額まで具体的な数値で解説します。
最低資本金
ベトナムの企業法では、一部の規制業種を除き、最低資本金の金額は定められていません。しかし「資本金ゼロ」では投資許可(IRC)を実務上取得できません。また、資本金の金額は投資許可取得後90日以内に払込む必要があります。
重要:資本金ゼロでは投資許可が取れません。法律上の制限がない業種でも、最低限の資本金を設定することが実務上の必須条件です。
一方、特定の規制業種では法定最低資本金が定められています。例えば、独立監査法人(有限会社の場合)では政令17/2012/ND-CPにより法定資本金が規定されています。金融・保険・通信・銀行関連業種も法定資本金の設定があります。
業種別・実務上の推奨資本金
法定最低資本金のない業種でも、事業の性質・規模・ビザ取得方針によって、実務上設定すべき資本金の目安が異なります。
| 業種・事業規模 | 実務上の推奨資本金(USD) | 円換算目安(1USD=150円) | 備考 |
| IT・コンサルティング(小規模) | 10,000〜50,000 USD | 150万〜750万円 | 在留資格・ビザに影響 |
| IT・コンサルティング(中規模) | 100,000〜300,000 USD | 1,500万〜4,500万円 | 複数名の駐在ビザを想定 |
| 商社・輸入販売業 | 300,000 USD以上 | 4,500万円以上 | 輸入販売ライセンスに影響 |
| 製造業(小〜中規模) | 500,000〜2,000,000 USD | 7,500万〜3億円 | 設備投資額に応じて設定 |
| 製造業(大規模) | 2,000,000 USD以上 | 3億円以上 | 工業団地の入居要件に注意 |
| 小売・飲食業 | 50,000〜200,000 USD | 750万〜3,000万円 | 店舗数・規模による |
| 不動産業 | 法定資本金あり(別途確認) | 要専門家確認 | 業種特有の規制あり |
上記はあくまで「目安」であり、実際の設定額はビジネスプラン・ビザ戦略・当局の審査方針によって変わります。少なすぎると資金不足で事業継続に支障をきたし、多すぎると払込負担が増します。適正額の設定には専門家への相談が欠かせません。
資本金の払込期限と減資
ERCの取得後、90日以内に資本金を全額払い込む必要があります(2020年企業法第47条)。期限を超えた場合、罰則が科される可能性があります。また、払込後の減資は手続きが煩雑で、債権者への通知義務や当局への申請が必要なため、原則として当初から適正な金額を設定することが重要です。
資本金がビザ取得に与える影響
ベトナムでの就労ビザ(Work Permit)・投資家ビザの取得においても資本金の額が影響します。投資家ビザを取得するためには、原則として30億ベトナムドン(約1,800万円以上)の出資が要件となるケースが多く、これを下回る資本金では投資家ビザではなく就労ビザでの申請を検討する必要があります。
資本金をギリギリに設定すると、駐在員のビザ取得に支障が出るケースがあります。ビザ戦略まで見越した資本金設定が重要です。
③ ベトナム法人設立費用の内訳
「ベトナムで法人を設立するのにいくらかかるの?」という質問は非常に多くいただきます。ここでは費用の各項目を具体的な金額とともに解説し、モデルケースによる総額シミュレーションも提示します。
費用項目別の内訳
| 費用項目 | 金額目安(円) | 補足 |
| 設立代行費(専門家報酬) | 50万〜150万円 | 行政書士・弁護士・コンサル会社によって異なる |
| 翻訳・公証費用 | 10万〜30万円 | 日本語書類のベトナム語翻訳、認証費含む |
| 投資ライセンス(IRC)取得費用 | 5万〜15万円 | 行政手数料・印紙代等 |
| 企業登録(ERC)取得費用 | 3万〜10万円 | 登録税・手数料含む |
| オフィス初期費用(敷金等) | 30万〜100万円以上 | 規模・立地によって大きく異なる |
| 印鑑登録・会社印作成費用 | 2万〜5万円 | ベトナム現地での会社印(角印・丸印) |
| 銀行口座開設費用 | 1万〜5万円 | 口座開設手数料・最低預金額 |
| 税務登録費用 | 3万〜8万円 | 電子税務申告システムへの登録費含む |
| その他雑費 | 5万〜20万円 | 交通費・翻訳追加分・弁護士意見書等 |
モデルケース:IT業・資本金300万円(約20,000USD)の場合
【前提条件】日本法人が100%出資する一人有限会社。ホーチミン市に設立。IT関連サービス業(コンサルティング)。スタッフ3名(日本人1名、現地スタッフ2名)でスタート。
| 費用項目 | 金額(概算) |
| 設立代行費(専門家報酬) | 80万円 |
| 翻訳・公証費用 | 15万円 |
| IRC+ERC取得費用(行政手数料) | 8万円 |
| オフィス初期費用(敷金3ヶ月分) | 60万円 |
| 印鑑・登録費用 | 3万円 |
| 銀行口座開設 | 2万円 |
| 税務登録費用 | 5万円 |
| その他雑費 | 10万円 |
| 【合計(初期費用)】 | 約183万円 |
| 資本金(払込額) | 約300万円(20,000USD) |
| 【初年度トータル目安】 | 約500万円〜600万円(維持費含む) |
年間維持費の目安
法人設立後の年間ランニングコストも事前に把握しておくことが重要です。
| 維持費項目 | 年間目安(円) | 備考 |
| 会計・税務顧問費用 | 60万〜200万円 | 月5〜17万円程度。規模により変動 |
| 決算・申告費用 | 20万〜60万円 | 法人税申告・年次決算業務 |
| 監査費用(必要な場合) | 100万〜300万円 | 規模・業種によって異なる |
| オフィス賃料 | 60万〜500万円以上 | ホーチミン市内の場合。立地・広さによる |
| 現地スタッフ人件費 | 150万〜500万円以上 | スタッフ数・役職による |
| 会計ソフト・システム費用 | 5万〜20万円 | ベトナム対応会計ソフト使用料 |
| 法務・コンプライアンス費用 | 10万〜50万円 | 法改正対応・契約書レビュー等 |
会計士や税務申告は現地コンプライアンスの観点から外注が一般的です。ベトナムでは会計年度は1月〜12月(暦年)が基本で、法人税は四半期ごとの仮払と年次確定申告が義務付けられています。
④ ベトナム現地法人設立の流れ
ベトナムで現地法人(外資系有限会社)を設立するには、IRC(投資登録証明書)とERC(企業登録証明書)の2つを取得することが必要です。大きく「日本側での準備」と「ベトナム側での申請」に分かれます。全体の所要期間は順調に進んでも2〜4ヶ月が標準です。
STEP 1:事前準備・計画策定(日本側) 所要期間:2〜4週間
- 進出形態・業種・資本金・会社名の決定
- 設立場所(ハノイ/ホーチミン等)の選定
- オフィス物件の仮押さえ(IRC申請に賃貸契約書が必要)
- 親会社の登記簿謄本・定款・財務諸表・銀行残高証明書の取得
- 専門家(弁護士・コンサルタント)への依頼
IRC申請前にオフィスの賃貸契約を締結する必要があります。契約からIRC取得までの期間、空家賃が発生する点に注意してください。
STEP 2:日本語書類の翻訳・公証 所要期間:1〜2週間
- 政府指定の翻訳機関での認証・公証(指定外の翻訳機関は効力なし)
- 日本で準備した書類(登記簿謄本・定款・財務諸表等)をベトナム語に翻訳
- 翻訳も政府指定の翻訳機関で行う必要あり
- 日本の外務省・ベトナム領事館でのアポスティーユ認証(書類によって必要)
- 公証役場での公証も必要
STEP 3:IRC(投資登録証明書)の取得 所要期間:2〜4週間
ベトナムの計画投資局(DPI)またはエコノミックゾーン管理委員会に対して以下の書類を提出します。
- 投資プロジェクト実施申請書
- 投資プロジェクト提案書(事業計画の詳細)
- 財務能力を証明する書類(財務支援誓約書)
- 賃貸契約書および物件オーナーの関連書類
- 親会社の基本書類(翻訳・公証済みのもの)
審査期間は通常15営業日(3週間程度)ですが、業種・事業規模・申請書類の完成度によって延長される場合があります。条件付き開放業種では追加の許可申請が必要になるケースもあります。
STEP 4:ERC(企業登録証明書)の取得 所要期間:1〜2週間
IRC取得後、ベトナムの企業登録局に企業登録証明書(ERC)を申請します。ERCの取得によって、会社登記と事業許可の両方が認可されたとみなされます。
- 企業登録申請書
- 現地法人の定款
- 社員リスト(二人以上有限会社の場合)
- 投資家の証明書類(IRC等)
ERCの審査は通常3〜5営業日です。ERCを取得した時点で正式に法人設立が完了します。
STEP 5:設立後の手続き 所要期間:2〜4週間
| 手続き | 内容 | 所要期間 |
| 印鑑登録・作成 | 会社印(法人印)の作成と警察署への届出 | 1〜2週間 |
| 銀行口座開設 | 資本金振込用の口座・運転資金口座の開設 | 1〜3週間 |
| 資本金の払込 | IRC取得後90日以内に資本金を全額払込み | IRC後90日以内 |
| 税務登録 | 税務署への法人登録・電子申告システムの設定 | 1〜2週間 |
| 社会保険登録 | 現地スタッフを雇用する際の社会保険加入手続き | 採用に合わせて |
設立後の税務登録が完了すると、正式に事業を開始できます。なお、銀行口座開設はベトナムでは外資系企業の場合1〜3週間かかることがあるため、早めに着手することをお勧めします。
⑤ ベトナム会社設立でよくある失敗例
現地法人設立は一見シンプルに見えますが、実務上は多くの落とし穴があります。ここでは特に多い失敗例を5つ紹介します。なぜ起きるのか、どうすれば防げるのかまで解説します。
失敗例①:資本金不足でビザが取得できない
【症状】法人は設立できたが、日本人駐在員の就労ビザ・投資家ビザが取得できず、現地での活動が制限される。
【原因】投資家ビザ(DN)を取得するためには、原則として30億ベトナムドン以上(約1,800万円以上)の出資実績が必要です。これに加えて、設立後の資本金払込を完了していないとビザ申請ができないケースもあります。「法律上は制限がないから」と資本金を極端に低く設定したことが原因です。
【対策】駐在員の渡航計画・ビザ取得戦略を先に決め、それに必要な資本金額を逆算して設定します。
失敗例②:業種規制・外資比率制限の見落とし
【症状】IRCの申請後、業種規制を理由に投資審査が通らず、事業計画の見直しを余儀なくされる。または設立後に「この業種は取れない」と判明する。
【原因】ベトナムの業種規制は条約(WTO加盟議定書・ASEAN関連協定)と国内法令が複雑に絡み合っており、見た目の業種コードだけでは判断できないケースが多くあります。また、規制は頻繁に改正されるため、古い情報をもとに計画を立てると失敗します。
【対策】事業計画のフィージビリティスタディを専門家と一緒に行い、自社の事業が「条件付き開放業種」に該当するかどうかを事前に確認します。特に小売、通信、飲食、教育関連は要注意です。
失敗例③:住所要件違反・バーチャルオフィスの問題
【症状】バーチャルオフィスの住所でIRCを取得したものの、実態がないとして当局の調査対象になる。または当初の住所から移転する際に手続きを怠り、罰則を受ける。
【原因】ベトナムでは法人登録住所に「実際に事務所機能が存在すること」が求められます。バーチャルオフィス(住所貸し)だけでは長期的に維持できないケースが増えています。また、引っ越し後に住所変更届を怠る企業も多く見られます。
【対策】設立時から実態のある事務所を確保します。コスト削減のためにバーチャルオフィスを検討する場合は、その物件がIRC/ERC登録住所として認められるかどうかを事前に当局または専門家に確認してください。
失敗例④:外資比率制限を把握せずに合弁設立
【症状】現地パートナーとの合弁会社を設立したが、後から外資比率の制限を超えていたことが判明。または合弁解消時に持分の買い取りで大きなコストが発生する。
【原因】条件付き開放業種では、外資側の持分比率が49%以下に制限されることがあります。また、合弁契約書で「出資比率」と「意思決定権」の関係を明確にしないまま進めると、後から意思決定が困難になります。
【対策】合弁設立の場合は、出資比率・取締役会構成・配当方針・解散時の持分処理について、設立前に詳細な合弁契約書(Joint Venture Agreement)を締結します。
失敗例⑤:名義貸し(ダミー株主)問題
【症状】外資規制をクリアするために現地ベトナム人を名目上の株主(名義貸し)として使ったが、後から名義人が権利を主張したり、持分を第三者に売却するトラブルが発生する。
【原因】一部の条件付き開放業種では、外資100%での進出が困難なため、ベトナム人を名目上の株主に立てて実質的な外資100%を装うケースがあります。しかし、法的には名義人が株主であるため、後々の紛争リスクが非常に高くなります。
【対策】名義貸しは法律違反のリスクが高く、絶対に避けてください。正規の合弁形態または外資が認められる業種での設立を選択します。業種変更・事業再構成による合法的な解決策を専門家と検討することをお勧めします。
⑥ 自分で設立する場合と専門家依頼の比較
ベトナム法人設立を自力で行うことは制度上可能ですが、実務的には非常にリスクが高いです。ここでは両者のメリット・デメリットを比較します。
| 比較項目 | 自力で設立する場合 | 専門家(コンサル・弁護士)に依頼する場合 |
| 費用 | ◎ 代行費用が不要(50万〜150万円の節約) | △ 代行費用50万〜150万円が追加 |
| 時間 | △ 書類準備・手続きに膨大な時間がかかる | ◎ 専門家が効率的に進める |
| 書類の正確性 | △ ベトナム語書類のミスリスクが高い | ◎ 専門家がチェック・最適化 |
| 業種規制の把握 | △ 最新の規制情報の収集が困難 | ◎ 最新情報で適切にアドバイス |
| 申請ミスのリスク | △ 書き直し・申請やり直しで遅延が生じやすい | ◎ ミスを最小化 |
| ビザ・税務の連携 | △ 設立後の手続きが属人的になりがち | ◎ ワンストップで対応可能 |
| トラブル対応 | △ 問題発生時に対応が難しい | ◎ 専門家が迅速に対応 |
| 総コスト | 一見安いが手戻りや機会損失で高くなることも | 代行費用は発生するが確実・迅速 |
ベトナム語・法律・現地行政の知識が十分にある場合を除き、初めてベトナムに法人設立する際は専門家への依頼を強くお勧めします。設立後の税務・人事・ビザ対応まで含めたトータルサポートができる会社を選ぶことが重要です。
専門家選びのポイント
- ベトナム現地に拠点・スタッフを持っているか
- 設立後の会計・税務・労務まで一貫してサポートできるか
- 日本語対応が可能か
- 業種規制の調査経験が豊富か
- 料金体系が透明か(追加費用が発生しないか)
⑦ よくある質問(FAQ)
ベトナム会社設立について、お客様からよくいただく質問をQ&A形式でまとめました。
ベトナムの最低資本金はいくら?
業種規制のある一部を除き、法律上の最低資本金の定めはありません。ただし実務上は、資本金ゼロではIRC(投資許可)が取得できません。IT・コンサルティング業の場合は10,000〜50,000USD(150万〜750万円程度)が一般的な目安です。輸入販売を行う場合は300,000USD(約4,500万円)以上が推奨されます。
1人(個人)でベトナム法人を設立できますか?
はい、個人でも設立可能です。ただし、外国人個人が直接設立するよりも、日本法人を通じた100%外資子会社(一人有限会社)として設立するケースが一般的です。個人での設立の場合、ビザ・税務面での課題が生じることがあります。
ベトナム法人を設立するために日本法人(親会社)は必要ですか?
必須ではありません。個人・外国法人どちらでも出資者になれます。ただし、日本法人を親会社として設立する場合は、親会社の登記簿謄本・定款・財務諸表・銀行残高証明書が必要になります。個人設立の場合は、パスポートや個人の財産証明書が必要になります。
法人設立後にビザ(就労ビザ・投資家ビザ)は取れますか?
取れますが、資本金額・役職・業種によって申請方法が異なります。投資家ビザを取得するには30億ベトナムドン(約1,800万円)以上の出資が必要です。それ以下の場合は就労ビザでの申請になります。Work Permitは業務の専門性の証明が必要で、取得に1〜3ヶ月程度かかります。
ベトナム会社設立まで何ヶ月かかりますか?
最短で2ヶ月程度、標準的には3〜4ヶ月が目安です。業種規制がある場合や書類に不備がある場合は6ヶ月以上かかることもあります。オフィスの確保・日本側書類の準備から始めると、全体スケジュールの逆算がしやすくなります。
ベトナムの法人税率はどのくらいですか?
標準法人税率は20%です。ただし奨励投資分野(IT、教育、医療、農業等)や経済的困難地域(地方・工業団地等)に進出する場合は、10〜20%の優遇税率が適用されます。さらに最大4年間の免税期間と9年間の減税期間が設けられるケースもあります。
ベトナム法人に会計監査は必要ですか?
すべての外資系企業(100%外資・合弁問わず)は、ベトナム法に基づき毎年の外部監査(法定監査)が義務付けられています。監査費用は規模・業種・監査法人によって異なりますが、年間100万〜300万円程度が目安です。監査対象期間は1月〜12月の暦年です。
ベトナムの消費税(付加価値税)はいくらですか?
標準VAT税率は10%です。輸出取引は0%、農産物・医薬品・一部の教育サービス等は5%の軽減税率が適用されます。VAT申告は毎月または四半期ごとに行う必要があり、電子申告システムへの登録が必要です。
ベトナムで日本人スタッフを雇用する場合、何か制限はありますか?
外国人労働者の雇用は「労働許可証(Work Permit)」の取得が必要です。ただし専門的な技術・スキルを持つポジションに限定されており、同等のベトナム人が確保できない場合が条件です。外国人の比率についても一定の制限があります。また、外国人を雇用する際は社会保険・健康保険への加入義務があります。ただ、社内異動者に該当する場合は免除になります。
ベトナム法人の会計年度はいつからいつですか?
原則として1月1日〜12月31日(暦年)です。決算月は12月、3月、6月、9月から選択可能。実務上12月以外を選択する企業も多いです。法人税の確定申告は翌年3月末が期限です(四半期ごとの仮払いが必要)。
ベトナムの最低賃金はいくらですか?
最低賃金は地域によって異なります(地域4区分)。2026年のホーチミン市(第1地域)の月額最低賃金は5,310,000 VNDで、ここ10年間で年平均5〜15%程度上昇しています。実際の給与水準はこれを大きく上回るケースが多く、スキルのある人材は月20万〜50万円以上になることもあります。
ベトナム法人を閉鎖(撤退)する場合はどうすればいいですか?
ベトナムの法人清算手続きは非常に複雑で、設立の2〜3倍の時間がかかるケースが一般的です。全税務申告・監査の完了、従業員への適正な退職補償、当局への各種届出・取消申請が必要です。税務局による税務調査も入るため、専門家のサポートなしには進めることが難しい手続きです。最低でも1〜2年の期間を見ておく必要があります。
まとめ
ベトナムへの法人設立は、適切な準備と専門家の支援があれば、日本企業にとって大きなビジネスチャンスへの扉を開く強力な手段です。しかし本記事で解説したとおり、資本金の設定・業種規制・書類準備・ビザ戦略など、専門知識が必要な局面が多数あります。
ベトナム進出で成功している日本企業の共通点は、「現地の法律・文化・行政を熟知した専門家と早い段階からパートナーシップを組んでいること」です。初期投資を惜しんで自力で進めようとすると、書類の不備・許可の遅延・ビザ問題などで、結果的に時間もコストも余計にかかってしまうケースが後を絶ちません。
本記事の内容について、自社の事業に当てはめてどう考えればよいかわからない場合や、具体的な資本金・費用の見積もりを知りたい場合は、専門家への無料相談をご活用ください。ベトナム進出の経験豊富なコンサルタントが、初期診断から設立・運営サポートまで一貫してお手伝いします。
ベトナムでのビジネス成功を心よりお祈りしております。まずはお気軽にご相談ください。
※ 本記事は2026年2月時点の情報を基に作成しています。法律・規制は頻繁に改正されるため、最新情報は必ず専門家にご確認ください。
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