【前編】ベトナムで駐在員事務所から法人へ移行する際の流れと注意点|「切り替え」では なく「閉鎖と新設」になる理由

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の清水信太です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【前編】ベトナムで駐在員事務所から法人へ移行する際の流れと注意点|「切り替え」では
なく「閉鎖と新設」になる理由」についてお話していこうと思います。

 

ベトナムに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから▼
・ベトナムの基礎知識
ベトナムに関するセミナーに参加したい方は、こちらから▼
・ベトナム関連セミナー

 


【前編】ベトナムで駐在員事務所から法人へ移行する際の流れと注意点|

「切り替え」ではなく「閉鎖と新設」になる理由】

ベトナムに駐在員事務所を構えて活動を続けるなかで、現地での取引を本格化させたい、

るいは売上を計上できる体制に移行したいという理由から、駐在員事務所を法人へ切り替え

たいというご相談をいただくことがあります。
しかし、ベトナムでは、駐在員事務所をそのまま法人へ切り替えるという手続きは、原則と
して存在しません。
実務上は、既存の駐在員事務所を閉鎖したうえで、あらためて現地法人を新規に設立すると
いう対応になります。
そのため、単純な名義変更や組織変更というよりも、二つの手続きを並行または順次で進め
ていくイメージになります。
駐在員事務所から法人へ移行する際の全体的な流れと、資産や従業員の移動、法定代表者の
取り扱いなど、実務上、特に注意が必要となるポイントを前後編の2回に渡って解説します
 1. 「切り替え」という手続きは存在しない
まず前提として、駐在員事務所と法人は、ベトナムの制度上、まったく別の主体として扱わ
れます。
駐在員事務所は、親会社の連絡・調整や市場調査などを目的とした拠点であり、原則として、
直接的な営業活動や売上の計上を行うことはできません。
一方で、現地法人は、投資登録証明書であるIRC、および企業登録証明書であるERCに基づ
いて設立される独立した法人であり、事業活動や売上計上を行うことができます。
この二つは、根拠となる登録も、税務上の取り扱いも、権利義務の主体も異なります。
そのため、駐在員事務所の登録内容を書き換えて法人にする、というような「切り替え」の
手続きは用意されていません。
実際には、以下のように、二つの手続きを組み合わせて進めることになります。
・ 現地法人を新規に設立する
・ 駐在員事務所を閉鎖する
この二つを、どのような順序・スケジュールで進めるかが、移行を検討するうえでの最初の
ポイントになります。
 2. 移行の全体的な流れ
駐在員事務所から法人への移行は、大きく分けて次の二つの進め方があります。
①先に法人を設立し、その後で駐在員事務所を閉鎖する方法
この場合、一定期間、駐在員事務所と法人が並行して存在することになりますが、事業や契
約の継続性を確保しやすいという利点があります。
②先に駐在員事務所を閉鎖し、その後で法人を設立する方法
こちらは二重の維持コストを抑えられる一方で、閉鎖から設立までの間に活動の空白期間が
生じる可能性があります。
ただし、駐在員事務所の閉鎖は一般的に非常に時間を要します。特に税務調査は担当官や状
況によって数年単位で終わらないこともあるため、駐在員事務所の閉鎖を待ってから法人を
設立する場合、法人の設立が予定よりもかなり遅れる可能性が生じます。
従って、スケジュールを優先する場合は1の方法を推奨します。
なお、駐在員事務所と法人を一定期間並行して運営する場合には、それぞれについて会計・
税務・労務上の対応が必要となる点に注意が必要です。
 3. 駐在員事務所の閉鎖手続き
駐在員事務所の閉鎖にあたっては、一般的に以下のような対応が必要となります。
・ 管轄当局への閉鎖の届出・ライセンスの返却
・ 税務上の清算(法人所得税・個人所得税などの申告・納税、税務コードの閉鎖)
・ 従業員との労働契約の終了に伴う手続き
・ 日本人駐在員の労働許可証(WP)・一時滞在カード(TRC)の返却手続き
・ 銀行口座の閉鎖、残高の送金
・ 保有資産の処分または移管
閉鎖手続きは前述の通り、当局の対応状況や税務清算の進み方によって、想定よりも時間を
要することがあります。
特に税務清算は、過去の申告内容の確認を求められる場合もあるため、余裕を持ったスケジ
ュールで進めることが重要です。
 4. 現地法人の新規設立
現地法人の設立自体は、通常の新規設立と同じ流れで進みます。
一般的には、事業内容・資本金・法定代表者・オフィス住所などを整理したうえで、IRC、
続いてERCを取得し、その後、会社印の作成、銀行口座開設、資本金送金、税務登録、電
子インボイス登録などを進めていきます。
法人設立時に事前に決めておくべきポイントについては、別記事で詳しく解説していますの
で、あわせてご確認ください。
ここで特に意識しておきたいのは、既存の駐在員事務所で行っていた活動や、雇用している
従業員、保有している資産を、新設する法人へどのように引き継ぐかという点です。
これらは、法人設立の申請と並行して、早い段階から整理しておくことが望ましいといえます。
また、駐在員事務所の所長と法人の代表者は同一人物が兼務することができません。したがって、現
地に駐在している駐在員事務所の所長がそのまま新法人の代表に就くことを想定している場合は注意
が必要です。
ここらの資産および従業員の移動、代表者の兼務不可については後編で詳しく解説します。
弊社では法人及び駐在員事務所の設立から運営中のバックオフィス業務、そして閉鎖まで一気通貫し
てサポートしております。何かお困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。

 

 この記事に対するご質問・その他ベトナムに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。

※画像クリックでお問い合わせページへ移動します

【PR】海外最新ビジネス情報サイト「Wiki Investment」


※画像クリックでWiki Investmentページへ移動します

進出予定の国、進出している国の情報収集に時間かかりませんか?

進出してビジネスを成功させるためには、

その国の知識や実情を理解しておくことが必須となってきます。

しかし、情報が溢れかえっている社会では

どれが本当に信頼できる情報なのか?重要になります。

そんな「信頼できる情報」をまとめたサイトがあれば、どれだけ楽に情報収集ができるだろう…

その思いから作成したサイトがWiki Investmentです!!

弊社東京コンサルティンググループは海外20カ国超に拠点を有しており、

その現地駐在員が最新情報を「Wiki Investment」にまとめています。

【Wiki Investmentで何ができる?

・現地駐在員が毎週ホットな情報を更新するNews update

・現地に滞在する方からご質問頂く、
 より実務に沿った内容が記載されているQ&A集

・当社が出版している海外実務本をデータベース化したTCG書籍

などの新機能も追加しました!

 

経営者・幹部層の方におススメしたい【全ての経営者へ贈るTCGブログ】

※画像クリックで「TCGブログ」ページへ移動します

会社経営や部下のマネジメントをしていると、様々なお悩みって出てきませんか?

どうしたら、会社は良くなっていくんだろう・・・
・部下が育ってくれるにはどうしたらいいんだろう・・・

そういったお悩みをもつ経営層の皆様におススメしているブログがございます。
コンサルティングファームとして、これまで多くの企業様と関わり、
課題を解決してきたコンサルタント達による

経営課題や悩みについて解説したブログを無料公開しております。

もっと会社を良くしたい!、マネジメントについて学びたい!

そうお考えの皆様におススメのコンテンツとなりますので、ぜひご覧ください!

・「全ての経営者へ贈るTCGブログ」はこちらから


東京コンサルティングファーム

清水 信太


※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。
該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る