みなさん、どうもこんにちは。増田です。
現在、出張で約2週間ほどトルコに滞在しております。
前回トルコに来たのは昨年の10月、ちょうどインドのディワリの時期で3日間の弾丸出張でしたが、今回はGWをはさんで4月末から5月初旬までの滞在となります。
今回は多くの日系企業を訪問させていただき、色々とお話をさせていただきましたが、その中でも、RUSF(Resource Utilisation Support Fund)について触れたいと思います。
RUSFとは税金の一種で、トルコ国内の企業が海外の会社から資金を借り入れた場合、3年未満の短期借入(※)に対して、元本の0.5%~3%の税金が課税されるという制度です。
(※2013年1月の税制改正以前は、1年未満の短期借入についてのみ3%となっていましたが、税制改正後は貸付期間が3年未満となり、RUSFの対象範囲が広がりました。)
注意すべき点は、この制度は単純な資金の貸付だけでなく、海外の会社との与信を伴う取引(輸入代金の支払いについて掛けで取引を行った場合)で、平均貸付期間が1年未満のものについても対象となるという点です。
つまり、トルコ企業が海外からの輸入代金の支払いにつき、掛けで取引を行った場合、その掛け代金の3%のRUSFを支払わなければならない、ということになります。
そのため、輸入取引を行うトルコ企業は、当該RUSFを回避するため、輸入代金について一括での支払を行う形となりますが、一方で、すべての輸入代金を一括で支払うためには多額の資金を必要とし、結果として資金調達のために国内の銀行等より短期の資金借入を行うことになります。
トルコ政府の当該税制の趣旨としては、トルコ企業に対してトルコ国内での資金調達需要を喚起する(トルコ国内の平均借入利率は、条件にもよりますが約8%程度とのこと)というところにありますが、トルコの外資系企業などは当該RUSFへの対応に苦慮するケースが多くみられます。
私自身も、いろいろな国の税制を見ていますが、特にこのRUSFについてはアジア圏では例が無く、まだまだ世界には多くの種類の税金があると実感したとともに、今後さらに各国の税制に目を向けることになりそうです。
以上