トルコの輸入

こんにちは、トルコ駐在員の田中隆道です。

先月の10月29日にトルコ国家プロジェクトである、アジアと欧州を繋ぐ海底トンネルが日本の大成建設とトルコの建設会社2社の共同事業体によって開通しました。
それに伴い、安倍晋三首相がボスポラス海峡を横断する地下鉄開通式典に出席するため、トルコに訪土されました。ボスボラス海峡を横断する地下鉄開通式典では、トルコ側から日本側にサプライズで用意されたプレゼントが送られたようです。
MSN産経ニュースによれば、阿部首相は開通式典でエルドアン首相やギュル大統領らと先頭部分に乗り込み、海峡のアジアと欧州を横断しました。しかし、その中間地点で突如電車が停車し、首相らが下車すると、そこにはエルドアン首相らトルコ首脳とともに外国首脳で唯一、安倍首相の名前と日本の国旗が記された銘板が掲げられていました。これは、トルコ側から日本へ向けられた友好の印だと言われているようで、安倍首相はエルドアン首相らと表示板のボルトを回して開通工事の締めくくりとし、喜びを分かちあったようです。

 

さて、今回のブログでは、トルコへの輸入問題について書いていきたいと思います。

まず、トルコでは1996年に輸入ライセンス制度が廃止されて以来、輸入は原則自由とされています。しかし、特別法で輸入が禁止又は、許可されていない品目については対象外となっています。
関係省庁の許可が必要な品目として、医薬品や殺虫剤があり、麻薬、蚕卵、農業用原料、賭博ゲーム機器、法が定める一部ブランドなどの商標および製品、偽ブランド商品、一部塗料用品、産業廃棄物及び一部の化学物質については輸入が禁止されています。

また、アフターセールスサービスが必要とされる自動車や家電などの輸入品に関しては、事務所設立又は現地代理店によるサービス、スペア・パーツの提供を保証し、科学・工業・技術省の消費者保護・競争局(General Directorate of Consumer Protection and Competition)から認可を得らなければいけません。そのため、トルコへのサンプル品としての輸入にも相当な労力がかかるといわれています。

そして、自動車の輸入品に関して、中古車流入を止める為の製造年規制により、新車の出荷・船積みにも制限がかかります。それは例えば2012年11月製の機械が輸送に時間がかかり2013年1月1日以降に現地に到着した場合、既に年をまたいでいる事から中古車扱いとなり、輸入が出来ないケースもあります。これはその年により、この規制が緩和される様ですが、実質規制緩和の恩恵を受けていないようです。

輸入も国々によって規制・手法が変わりますが、トルコのものを入れる場合も、相当な労力・情報が必要となります。中東・欧州・アフリカへの輸出を考慮しトルコに進出を検討される企業も多いかとは思いますが、事前に輸出入に関してフィジビリティスタディを徹底しておく必要があるかと思います。

以上

<参照>

MSN産業ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131106/plc13110609200008-n1.htm

JETRO
http://www.jetro.go.jp/world/middle_east/tr/trade_02/

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