こんにちは、トルコ駐在員の高津です。
今週はトルコでの二重課税控除に関してです。
国際的に活動を行う企業はさまざまな国で所得が発生し、それに対して各国で課税されます。
企業の多国籍化とともに租税についてもボーダレス化が進んでいます。国外で生じた所得について、外国の法令に基づき所得に対して課税された上に他の国においても課税されるというようなケースもあります。このような二重課税に対し、いずれか一方の国で、国外で支払った税金の額を控除することにより、国際的な二重課税を回避する制度を外国税額控除といいます。
たとえば、支店形態でトルコに進出している場合、発生した所得に対して、トルコの税法の規定に従い、法人所得税が課されます。一方で、日本の本店における課税所得の計算は、全世界所得課税の考え方に基づき、本店と支店の所得を合算した金額を基礎に行われます。
この場合、トルコに設置した支店で発生した所得について、トルコと日本の両方の国から課税がなされることになり、二重課税の状態になります。そのため、日本の本店における納付税額は、本店と支店の所得を合算して計算された税額から、トルコにおいて納税した支店の所得に係る税額を控除して算出します。その他、日本側でトルコ側からのロイヤルティ、利息や配当等を受取る際に、トルコ国内において所得税が源泉徴収された場合においても、その源泉徴収により納付した税額について、外国税額控除の規定が適用されます。
法人形態でトルコに進出している場合、現地所得に対して日本での所得合算は行われませんが、トルコ側から受取る利息、 配当、ロイヤルティ等に対して源泉税が徴収された際には、その納付した税額について、外国税額控除の規定を適用することができます。
トルコにおいては、他国所得との二重課税について、外国での収入に対してトルコで課税されるべき税額を限度として、トルコ国外で支払った税金を控除することができます。
仮に、トルコ側で納税が発生しておらず、 外国税額控除が適用されなかった場合でも、控除不足額について、翌年以降3年間繰り越すことができます。
トルコにおいて外国税額控除を申請する場合、控除対象となる外国税を納付した国のトルコ領事館において承認された受領書を提出する必要があります。
以上となります。
今週も、どうぞよろしくお願い致します。
高津 幸城