建国100年に向けて

こんにちは、トルコ駐在員の田中隆道です。

トルコ共和国は、今から92年前、初代大統領である建国の父、ムスタファ・ケマル・アタテュルクによりアンカラを首都として国家が樹立されました。

 

そして、今回はトルコ共和国の建国から100周年にあたる2023年に向け、トルコ政府が新たに掲げているビジョン・目標について記載します。

 

2012年において、トルコの一人あたりの GDP は1万ドルを超え、 名目GDP は約7860億米ドルと世界で第17位、ヨーロッパで第6位の経済大国となっています。そして、2000年に策定された「長期戦略(2001年~2023年)」で、建国100周年に向け、新たなビジョンを掲げ、さらなる躍進をはじめました。

 

2011年に策定された「Vision 2023」では国家目標として、世界経済においてトップ10入りし、名目GDP 2兆米ドル、一人当たりGDP 2.5万米ドルの到達を掲げています。それに伴い、2023年までに5,000億米ドルの輸出額を持つことも目標として設定しており、インフラの整備のため、2013年にトルコ政府は建設部門へ260億米ドルの予算を割り当て、交通をはじめエネルギー、ヘルスケア、教育、農業が整備対象となっています。

 

インフラは大きく2つの部門から成り、一つが交通部門、もう一つがエネルギー部門です。交通部門では具体的な目標数値として、高速道路総距離を7,500 km、高速鉄道網を10,000 kmに拡大することなどが挙げられています。(別図参照)

 

また、エネルギー部門では、 2012年の発電施設容量57GW を、2023年までに125GW まで増加させることや、 再生可能エネルギー比率を30%まで引き上げることなどを目標に掲げており、三菱重工業と仏アレバとで受注したシノップ原子力発電所建設も注目されています。現在、トルコは必要石油量の95%、必要天然ガス量の98%をはじめ総エネルギーの約74%を輸入に頼っている状態のため、目標を達成するのに壮大なインフラ投資が必要となり、投資家に対して大きな機会があると見られています。

 

現在、テロなどで少し動向をうかがっている企業も多いかと思いますが、建国100周年を迎えた時、トルコがどれ程の経済発展を遂げるか期待したいと思います。

 

 

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