AISという言葉、ご存知でしょうか?
シンガポールで企業を運営していて、この言葉を知らなかったら、税務上のコンプライアンス違反になっている恐れがあります。至急当社までご連絡ください→kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com
・・・と言うのは少し極端かもしれませんが、周辺ASEAN諸国や日本の例にもれず、シンガポールの税制も年々変化して行っています。
今日は、そんな変化する税制の中で、対応が必要なものを見ていきましょう。
税率は変更なし
一口に税制が変わるといっても、日本の消費税や法人税のように、適用税率が年々変わるということはシンガポールではありません。
法人所得税は17%、個人所得税は累進課税、GSTは7%で当面変更はありません。
※個人所得税の詳細は年々変化しております。
※※GSTは2021年~2025年のどこかで9%まで引き上げられる予定です。
YA2019で変わるのは申告方法
ご存知の方も多いかと思いますが、シンガポールでYA(Year of Assessment、査定年度)というのは、前年の1月から12月のことを指します。
このYA2019、つまり今年の分から、申告方法が変更になっています。
最近、9月1日から、各政府機関とのやり取りに関して、すべての企業にCorpPassによるログインが義務付けられましたが、税務の部分で変更になっているのは、AISというシステムで電子申告をする必要が出てきたところです。
AISとは
税務署に相当するシンガポールの役所、IRASが推奨する企業別申告制度AISは、Auto-Inclusion Schemeと呼ばれるシステムの略語で、今年2018年の所得税法(Income Tax Act)に反映されている電子申告制度です。
簡単に言えば、シンガポールで所得が発生する個人=個人所得税を納付する義務が発生するすべての人の給与情報が、企業の側から申告されることですべて自動で入力されるという電子申告制度がAISです。
対象企業は…ごく小規模の企業以外例外なく対象!
AISによる電子申告が求められるのは、以下の条件のどちらかに当てはまる全企業です。
1.2018年中、8名以上の従業員を擁している企業
2.「Notice to File Employment Income Of Employees Electronically(従業員所得の電子申告(要求)通知)」を受け取った企業
これを履行しない企業には、所得税法第94条違反により、最大で罰金S$1,000が課せられます。
どうでしょうか、ほとんどの企業が該当するのではないでしょうか。
実際にはこの条件も徐々に範囲が広げられており、たとえ該当しなくても、AISへの登録が強く推奨されています。
どうしよう、と思った方は、至急当社までご連絡ください→kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com
どこでどうやってAISに登録するの?
自社のことは自分でやりたい、という方は、2018年12月31日までにシンガポール税務各種申告サイト、myTax Portalから登録を行いましょう。
流れは以下の通りです。
1.CorpPass上で担当者に権限を付与(Authorisation)する
※項目としては「SUBMISSION OF EMPLOYMENT INCOME RECORDS」を選択します。
※※ApproverとPreparerの権限がありますが、ApproverはPreparerを兼ねます。
2.myTax Portal上で担当者にAIS登録をする
3.AIS用ソフトを選択する
※IRASのページにリストアップされている登録会社の給与計算ソフトを使用します。
4.myTax Portalで電子申告を行う
以上、今回はシンガポールのAISについてお伝えしました。
税務に関するお問い合わせはもちろん、労務や会計に関するお問い合わせも、お待ちしております。
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シンガポール法人
近藤貴政
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