シンガポールにおける居住法人とは①

税務

シンガポール進出・移住の第一歩はシンガポールの居住者になることです。

これは設立した会社も居住者かどうかの判定があることを意味します。

もしこのことを無視した場合、取引関係によっては思わぬところで税金を多く払うことがあります。

また、この問題は個人で設立している小規模会社だけでなく、日本の上場会社の子会社などにも関係します。居住性の問題は最近の国際税務の大きな動きのなかで注目されてきている論点で、シンガポールの税法の変更がないにもかかわらず、急に問題として顕在化することがあります。

居住法人とは

居住者の論点は、日数や資産の所在などにうるさい個人の場合と異なり、会社は問題なくシンガポール居住者(居住法人)なのではと思うかもしれません。ところが、シンガポールの税法では「法人の行っている事業の支配と経営がシンガポールで実行されている」場合に居住法人となるとしています。また、この「支配と経営」については「会社の方針や戦略などの戦略事項に関する意思決定」のことであり、具体的には重要事項を決定した取締役会が開催された場所がシンガポールであるかどうかが重要だと言っています。

居住性が否認されると税金が何倍にもなることもあります。

会社が居住法人でない問題点は以下のとおりです。

① スタートアップ法人の免税が使えない。

② 租税条約が使えない。

③ 国外からの配当、支店利益、サービス収入の免税がなくなる。

④ 外国税額控除が使えない。

上記の事柄を、シンガポールでビジネスをする際念頭に入れておくことをお勧めします。


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吉岡大樹

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2019-10-23

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