こんにちは、シンガポール駐在員の和久井です。
先日のシンガポール国会予算案の中で、シンガポール人の雇用をより公平的にする対策が検討されていることを明かしました。これは近年国内において外国人労働者が急激に増加したことに対し、国民からは雇用機会が奪われているとの反発の声が出てきていることと同時に、外国人労働に頼ることを軽減すべきとの観点から、政府も就労ビザの許可の規制をより厳格にしてきております。外国人の雇用枠を抑制するとして、先日S PassおよびWork Permitの雇用限度額をそれぞれ20%から15%へ、45%-40%へと引き下げたことが発表されました。これは会社全体の現地雇用数に対し、就労ビザ申請許可の範囲数を表しており、シンガポール人の雇用を生み出さなければ、外国人労働者を雇うことができないという仕組みとなります。また雇用税の引き上げや就労ビザの申請・更新手続料も最高50ドルまで値上げされており、外国人労働者を多く持つ企業にとってはより負担が増すことが懸念されます。
これらはあくまでも、政府の現地人の雇用機会を促進させる対策の一環として、また外国人労働者に頼らない方向へ移行するといった目的があります。その中でも、より厳選的に外国人労働者を減らすという概念よりも、より優秀な人材を受け入れることを目的としており、印象としては、結局就労ビザ取得申請もよりハードルがあがってきていると思われます。
また雇用されるシンガポール国民の生産性を高めることを目的として、2013年度国家予算にシンガポール政府はWCS(Wage Credit Scheme)を盛り込みました。これは、シンガポールで現地法人登録している会社で、シンガポールローカル従業員の昇給の40%を政府が援助するという、中小企業にとってはうれしい補助金となります。これは2013年から2015年まで適応され、最高月額支給が$4,000までのシンガポール従業員に対し、2012年に3ヶ月以上雇用し、2013年においても3ヶ月に渡り支給された場合、かつ最低月$50の昇給をした場合に政府から支援されます。
現地人雇用を生み出すことがより重要視されているため、シンガポール進出するにはここを念頭にいれて事業計画に盛り込むことで、政府からの評価はより高くなりより多くのメリットを享受できるのが最近の傾向性として目立ってきています。
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