外国人ビザの問題

労務

こんにちは。シンガポール駐在員の和久井です。

天然資源や限られた土地がない一方で、シンガポールの経済発展の源となる金融、サービス、研究開発、建築事業にマンパワーは必要不可欠であります。政府としても優秀な人材を誘致すべくビザ取得にもそれなりの高学歴と経歴および高い給与水準などを設けるなど、受け入れる条件に制限を掛けることにより、外国人労働者の入国をコントロールしています。

ただし、今年に入り昨年度からの外国人労働者の人口増加による圧迫と国民からの、現地人に対する職が縮小しているとの反発の声があがり、政府の就労ビザ発行の規制はより一層厳しくなってきております。昨年までは申請基準を満たしていれば、比較的簡単に取得できた就労ビザも、今では大手企業であっても、また基準を満たしていても許可が下りないケースがニュースでもここ最近目立ちます。

例えば、低賃金で雇えるアジア諸国の労働者を多く採用している大手飲食業やサービス業にとって、労働許可自体が下りにくくなっているのは、人材確保ができない重要かつ深刻な問題となっており、数多くの外資企業からの反感が高まっている状況が続いております。一方、ビザ管理を行う政府機関、人材開発省からは、これは国家の長期的計画に基づく方針であるからやむをえない、とのスタンスに、許可が下りない詳細も伝えてもらえないまま、再申請を行うなど、多くの外国人労働者を必要とする企業側にとっては頭を悩まされるケースが増加しています。

ただしここで矛盾しているのが、現地人を募集しところで、応募数が集まるかといったらそうでもないのが現実です。建築やサービスなど肉体労働を選択しない若者や、高い給与水準を求めるシンガポーリアンは少なくはなく、結果給与を上げるかビザのグレードを下げて外国人税を払う羽目になるかなど企業への負担や選択肢が少なくなっている中で、今後このまま持続されるかどうか政府の方針が懸念されます。

以上

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