やっぱりシンガポールの雇用はしっかりしてる!雇用記録の義務、お忘れなく!

いつもお世話になっております。東京コンサルティングファーム シンガポールの近藤です。

労働省MOMに労務の情報が充実し、雇用に際して困ったことがあればいつでも電話対応してもらえるシンガポールですが、そこまでしっかりした政府がある以上、シンガポールで企業活動を営む会社も、雇用に関してはしっかりと義務を履行しなければなりません。

今回は、基本を押さえる意味でも、従業員を雇用する際に義務付けられている雇用記録について、整理してお伝えします。

雇用記録って?

2016年4月1日付で、シンガポールで活動するすべての雇用者に向けて、雇用記録(Employment records)を保持することが義務付けられました。

参照:MOMサイト情報 https://www.mom.gov.sg/employment-practices/employment-records

どう保管する?

雇用記録のフォーマットはエクセルファイルなどのデータ(Soft copy)でも、それを印刷してファイリングした紙媒体(Hard copy)でも構いません。PCにデータがなくても、手書きの記録さえ提示できる形で残っていれば、問題ないとされています。

 

保管期間は?

雇用記録は2年以上の保管が義務付けられており、シンガポールで雇用されている従業員について、最近2年間の雇用情報が提示できるようにしておけば問題ありません。

また、退職した従業員に関しては、その雇用記録を退職後1年間保管することとされています。

 

全員分保管するの?

雇用記録の保管対象となるのは、シンガポール雇用法の対象者全員とされています。

具体的には、月給$4,500超、つまりマネージャー以上の職位と考えられる従業員を除いて、すべての従業員に対して雇用記録をつける必要があります。

※こちらは、残業代支給義務などで問題となる、雇用法第4部とは異なる基準となりますのでご注意ください。

なお、管理運営上、給与が高くとも全従業員に対して保管しておくことを推奨いたします。

 

どんな情報を記録する?

雇用記録に含まれるべき情報は、大きく二つに分けられます。

一つは従業員情報、もう一つは給与情報です。

それぞれ、MOMのページにある項目を見ていきましょう:

A.従業員情報

1.住所

2.ID番号(NRIC、またはEP/S Passの番号と期限)

3.生年月日

4.性別

5.就業開始日

6.退職日

7.就業時間(昼食その他休憩時間を含む)

8.勤務日(休日、祝日、各種休暇の取得情報を含む)

 

B.給与情報(給与明細、Pay Slipと同じ項目)

1.雇用者の氏名(会社名)

2.従業員の氏名

3.給与支払い日(ひと月に複数ある場合はそれぞれ記載)

4.基本給(Basic Salary、時給制/日当制の場合はそのレートを記載)

5.給与計算期間

6.各種手当(固定手当・臨時手当など)

7.各種支払(ボーナス、祝日給など、あれば)

8.各種控除(CPFなど固定固定控除、および無給休暇分など臨時控除)

9.残業時間(時間単位で記載)

10.残業手当(あれば上記9.に対応して記載)

11.残業時間計算期間(上記5.と異なる場合のみ)

12.手取支給金額

 

ヘルプ?

以上、シンガポール従業員に対する、雇用記録についてみてきましたが、これまでしっかり管理してこなかったという会社にとっては、これらすべてを満足させる様式で雇用記録を作成するのは、少し骨の折れる作業になります。

 

上記項目が網羅されるよう、給与明細の記入用フォームをMOMが公開しております:

https://www.mom.gov.sg/~/media/mom/documents/employment-practices/payslip/single-blank-payslip-form.pdf

 

また、弊社でも雇用記録、給与明細(Pay Slip)作成などの仕組みづくりに関して、お手伝いは可能です。

 

労務に関するお問い合わせはもちろん、労務や会計に関するお問い合わせも、お待ちしております。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

株式会社東京コンサルティングファーム

シンガポール法人

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

http://www.kuno-cpa.co.jp/form/

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2019-10-23

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