皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループの谷之口大輝です!
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Work Injury Compensation Act(WICA)は、業務上の事故や職業病について、訴訟によらず迅速に補償を受けられる制度です。2025年11月1日より補償限度額が引き上げられており、既存の労災保険が新基準を満たしているか、現地日系企業も改めて確認しておく必要があります。
1. WICAの基本的な仕組み
WICAは、業務中の事故や職業病によって負傷・死亡した従業員(またはその遺族)に対し、裁判によらず迅速に補償を受けられる仕組みを提供する制度です。
雇用契約または見習契約の下で働く従業員であれば、給与水準・年齢・国籍を問わず対象となり、2025年1月からはプラットフォームワーカーもWICAの対象に加わりました。独立請負人・家事使用人・一部の制服組職員などは対象外です。
- 対象:雇用契約・見習契約下の従業員(給与・年齢・国籍を問わない)
- 2025年1月よりプラットフォームワーカーも対象に追加
- 対象外:独立請負人、家事使用人、一部の制服組職員
2. 2025年11月改正の補償限度額
MOMは賃金上昇や医療費の高騰に合わせ、WICAの補償限度額を定期的に見直しており、2025年11月1日から新しい限度額が適用されています。
死亡時の補償限度額は約19%引き上げられてSGD 269,000に、永久的労働不能に対する補償限度額はSGD 346,000に、医療費の補償限度額は17%引き上げられてSGD 53,000となりました。既存の保険契約がこの新基準に対応しているかの確認が欠かせません。
| 補償の種類 | 2025年11月1日以降の限度額 |
| 死亡時 | SGD 269,000(約19%引き上げ) |
| 永久的労働不能 | SGD 346,000 |
| 医療費 | SGD 53,000(17%引き上げ) |
3. 雇用主の保険加入義務
WICA保険への加入は、現場作業員(manual worker)については給与水準を問わず、非現場作業員(non-manual worker)については月額固定給がSGD 2,600以下の従業員について義務付けられています。この閾値には残業代・賞与・年間賞与(AWS)・生産性インセンティブ・各種手当は含まれません。
保険未加入が発覚した場合、雇用主は罰金最大SGD 10,000または最長12か月の禁錮、あるいはその両方の対象となります。
- 現場作業員:給与水準を問わず加入義務あり
- 非現場作業員:月額固定給SGD 2,600以下が加入義務の対象
- 未加入時の罰則:罰金最大SGD 10,000または禁錮最長12か月(またはその両方)
4. 日系企業の実務対応ポイント
まずは加入中の労災保険の補償限度額が2025年11月以降の新基準を満たしているか、保険会社に確認することが最初の一歩です。
実務では、出向者や研修生、短期出張者などの雇用形態が複雑なケースで、WICAの対象に含まれるかどうかの判断を誤りやすい点にも注意が必要です。対象従業員リストの棚卸しと、労災発生時の社内報告フローの見直しをあわせて行うことをおすすめします。
- 既存の保険証券が新しい補償限度額に対応しているか保険会社に確認する
- 出向者・研修生など雇用形態が複雑な従業員のWICA対象可否を整理する
- 労災発生時の社内報告・対応フローを見直す
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・税務アドバイスではありません。具体的な案件については専門家にご相談ください。
参考リンク(政府公式)