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東京コンサルティンググループの谷之口大輝です!
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2025年6月9日に施行されたシンガポールの「コーポレートサービスプロバイダー法(CSP Act 2024)」とは、会社設立代行や会社秘書役(カンパニーセクレタリー)、ノミニー取締役の手配等を行う事業者(CSP)に対して、ACRAへの登録とAML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与防止)対策を義務付ける法律です。本記事では、日系企業の現地法人が確認すべき委託先の登録状況や実務対応を解説します。
1. CSP Act 2024とは ― 制度の全体像
2024年に制定されたCorporate Service Providers Act(CSP法)は、2025年6月9日に施行されました。シンガポールで法人設立代行や会社秘書役業務、ノミニー取締役・株主の手配などを業として提供する事業者は、すべてACRAへのCSP登録が義務付けられます。
既存事業者には移行期間が設けられ、2025年12月9日までの登録が求められました。日系企業がシンガポールで会社秘書役を委託している場合、その委託先はすでにこの登録義務の対象になっている可能性が高いです。
2. 会社秘書役に課されたAML・CFT義務
登録CSPには、顧客に対するマネーロンダリング・テロ資金供与・拡散金融(AML/CFT/PF)対策の実施が義務付けられます。具体的には、顧客の本人確認(KYC)や資金源の確認を、契約締結時だけでなく契約期間中も継続的に行う必要があります。
義務違反があった場合、CSP自身だけでなく経営陣個人も罰金の対象となる点が特徴です。
- 顧客のKYC・資金源確認(オンボーディング時+継続的モニタリング)が必須
- 違反時の罰金:CSP・経営陣ともに1件あたり最大SGD100,000
3. ノミニー取締役・株主契約への影響
2025年6月9日以降、業としてノミニー取締役に就任する場合は、必ず登録CSP経由での手配が義務付けられました。CSPは就任予定者について、欠格事由に該当しないかなどの適格性審査(fit and proper審査)を行う責任を負います。
登録CSPを介さずに業としてノミニー取締役に就任した個人には最大SGD10,000の罰金が科されるほか、適格性審査を行わずに手配した登録CSPには最大SGD100,000の罰金が科される可能性があります。
| 違反の内容 | 罰金(最大) |
| AML/CFT義務違反(CSP・経営陣) | 1件あたりSGD100,000 |
| 登録CSPを介さずに業としてノミニー取締役に就任(個人) | SGD10,000 |
| 適格性審査を行わずにノミニー取締役を手配(登録CSP) | SGD100,000 |
なお、この規制は現地法人(子会社)が現地居住取締役を配置する場面を主な対象としており、支店の授権代表者(Authorised Representative)には別の規律が適用されるため、自社の進出形態がどちらに該当するかを混同しないよう注意が必要です。
4. 日系企業が今すぐ確認すべきポイント
既存のノミニー取締役契約がある場合、まず委託先の会社秘書役がACRAにCSPとして登録済みかを確認することが最優先です。登録済みCSPの状況はBizfileで確認できます。未登録の事業者との契約を継続していると、適格性審査を経ていないノミニー取締役のまま事業を続けるリスクを抱えることになります。
また、CSP側から追加のKYC書類提出を求められるケースが増えていますが、日本本社の決裁を経て提出する必要がある書類は準備に数週間かかることも多く、契約更新のタイミングで慌てないよう早めに着手することをおすすめします。
- 委託先CSPの登録状況をBizfileで確認する
- AML/CFTに関する追加書類提出の依頼には早めに対応する
- 契約更新時にコンプライアンス責任者の有無・連絡先を確認しておく
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・税務アドバイスではありません。具体的な案件については専門家にご相談ください。
参考リンク(政府公式)