皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループの谷之口大輝です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「定年・再雇用年齢引き上げ完全対応ガイド」についてお話していこうと思います。

シンガポールについて知りたい方は…
シンガポールに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから
▼ ・シンガポールの基礎知識
シンガポールに関するセミナーに参加したい方は、こちらから
▼ ・シンガポール関連セミナー2026年7月1日施行、定年64歳・再雇用69歳への引き上げと雇用契約実務2026年7月1日、シンガポールの法定定年年齢が63歳から64歳へ、再雇用上限年齢が68歳から69歳へ引き上げられました。2030年までに定年65歳・再雇用70歳へ段階的に引き上げる計画の一環であり、日系企業も高齢従業員の雇用契約・再雇用制度の見直しが急務です。

改正後の最低定年年齢は、従業員の生年月日に応じて段階的に適用されます。1963年7月1 日以降生まれの従業員は定年64歳が適用され、それ以前の生年月日の従業員は経過措置として62〜63歳の旧基準が引き続き適用されます。再雇用上限年齢は一律69歳に引き上げられ、2030年には定年65歳・再雇用70歳へさらに引き上げられる予定であることが、2026年 3月の国会予算委員会(Committee of Supply)で発表済みです。

・ 1958年7月1日〜1960年6月30日生:定年62歳
・ 1960年7月1日〜1963年6月30日生:定年63歳
・ 1963年7月1日以降生:定年64歳(新基準)
・ 再雇用上限年齢:68歳→69歳(全従業員共通)

定年年齢に達した従業員に対し、雇用主は本人が希望する限り、最長69歳まで1年更新の再雇用契約を提供する義務があります。実務上のスケジュールとして、定年到達の6か月前までに再雇用の意向確認を開始し、遅くとも3か月前までに正式な契約条件を提示することが求められます。初回の再雇用契約は定年到達日から開始し、以後は毎年更新する形になります。日本本社の「定年65歳一律」といった単純な制度をそのまま現地に適用すると、この段階的な意向確認・契約提示のタイムラインを見落としがちなので注意が必要です。

業務上の適切なポジションが用意できない等の理由で再雇用契約を締結できない場合、雇用主は最終手段として雇用支援金(Employment Assistance Payment、EAP)を一時金として支払うことで義務を果たすことができます。EAPはあくまで「再雇用ができない場合の最終手段」であり、安易な代替としての利用は労働紛争のリスクを高める点に留意が必要です。
・ 標準EAP:給与3.5か月分(下限S$6,250・上限S$14,750)
・ 再雇用30か月以上継続後:給与2か月分(下限S$4,000・上限S$8,500)

高齢従業員の雇用継続を後押しする制度として、Senior Employment Credit(SEC)が2027 年12月まで延長されており、69歳以上の従業員については最大7%の賃金助成が受けられます(対象は月給S$4,000未満のシンガポール人従業員)。日系企業の実務対応としては、まず自社の高齢従業員リストを生年月日ベースで棚卸しし、直近6か月以内に定年を迎える従業員がいないか確認した上で、再雇用契約のひな形整備と意向確認プロセスの社内規程化を進めることを推奨します。
・ 高齢従業員を生年月日別に棚卸しし、直近の定年到達者を特定
・ 再雇用契約ひな形と意向確認プロセスを社内規程化
・ Senior Employment Creditの受給要件を確認し賃金助成を活用※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・税務アドバイスではありません。具体的な案件については専門家にご相談ください。
参考リンク(政府公式)
・ MOM – Retirement:https://www.mom.gov.sg/employment-practices/retirement
・ MOM – Re-employment:https://www.mom.gov.sg/employment-practices/re-employment