
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ、ミャンマー拠点の渡辺 晃です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「2025年版:ミャンマー税務③」についてお伝えします。
目次
【2025年版:ミャンマー税務③】
要約
- 現行の法人税率は原則22%、YSX上場会社は17%、油ガスE&Pは25%です。
- 居住法人は全世界所得課税、非居住体(支店等)はミャンマー源泉のみ課税です。
- 年次申告は期末から3か月以内、四半期前払は各四半期末後10日以内に行います。
- 税の支払通貨は“収入を得た通貨”が原則です(2024 UTL導入、2025 UTLで維持)。
- 未申告・未公開所得には原則30%、併せて3〜30%の段階税率枠も運用されています。
- 損失の繰越は3年、減価償却は定額法で所定の率(建物1.25〜10%、機械2.5〜20%など)です。
- ミャンマー企業からの受取配当は ワンティア課税制度 により非課税とされています。
1. 法人税率
現行の一般法人税率は 名目上25% ですが、2022年から 軽減税率適用期間として実効税率22% が適用されています。
ヤンゴン証券取引所(YSX)に上場する公開会社には 17% が適用され、油・ガスの探鉱・生産(E&P)部門には 25% が適用されます。
また、MICやSEZで許認可を受けた企業も、税率自体は 原則25% と整理されており、個別の免税・減免については別途の制度により判断されます。
2. 居住区分と課税範囲
所得税法上、個人と法人の区別が明瞭でないため、法人にも居住者/非居住者の区別が設けられていますが、滞在日数が問題となる個人の場合と異なり、法人の場合は現地法人なら居住者、支店・駐在員事務所なら非居住者という風に単純に区別されます。
なお、外資企業とミャンマー企業との区別も別途存在しています。
そして、法人の場合、居住者/非居住者の区別は、最終的に源泉徴収税の扱いに収斂します。
3. 申告・納付スケジュール
事業年度は通常4月1日から翌年3月31日までです。年次申告は事業年度末から3か月以内に提出し、四半期の前払税は各四半期末の10日以内に納付します。前払は年間見込み所得に基づいて計算し、期末で精算します。
4. 納税通貨(外貨関連)
2024年4月1日以降、居住・非居住を問わず、所得を得た通貨で税金を納めることが原則となりました。2025年の連邦税法でもこの原則は維持されています。
したがって、外貨建てで収入を得た場合は、その外貨で納税することが基本となります。
また、現状では税務当局がUSD口座しか保有していないため、実務上はUSDで納税する形となっています。
5. 未申告・未公開所得の課税
個人については、情報源や性質を説明できない未申告(未公開)所得に対して、3〜30%の累進税率による取り扱いが現行でも維持されています。
なお、案件ごとの適用は最新の当局ガイダンスを確認する必要があります。
6. 益金・配当の取扱い
課税所得は、益金から損金を控除して計算します。ミャンマーの法人から受け取る配当は非課税(ワンティア制度)とされ、益金不算入として取り扱われます。この制度は、所得に対する課税を法人所得税の一回のみとし、納税後の所得である利益配当に対して追加の課税を行わない仕組みです。
7. 損失の繰越
税務上の欠損金は、翌3事業年度まで繰り越し控除が可能です。欠損金の繰戻しは認められていません。資本損失は繰越・相殺の対象外です。
8. 減価償却
定額法が原則で、Notification 19/2016に定める償却率を用います。代表的なレンジは、建物1.25〜10%、建物附属設備5〜10%、機械装置2.5〜20%、各種車両12.5〜20%などです。事前承認により別法・別率が認められる場合があります。
9. 協同組合・国営企業・MIC関連
協同組合は原則22%ですが、一次(基本)協同組合は除外規定があります。国営企業は一般枠で22%が適用されます。MICの許認可は、税率そのものではなく、免税・減免や土地利用期間等の優遇の可否に影響します。
10. 罰則の目安
CITの遅延納付には10%の加算が科され得ます。年次申告の遅延については、税額の5%+月1%(またはMMK100,000のいずれか高い方)といった運用例が公表されています。最新の当局通知や実務ガイダンスを必ず確認してください。
④に続く
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渡辺 晃
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