メキシコの社会保険料の計算方法について

 

メキシコの社会保険料は、労働者負担と事業主負担によって計算されており、それぞれの割合が給与の2.78%、36.15%以上となっている。但し労働者側の計算も事業主側の計算も負担割合の数字が異なるのみで、基本的な計算式は同じである。

 

またよくあるご質問として、設定給与は同じなのになぜ月によって手取り額や社会保険料等が少し違うのかとご質問を頂きます。
その答えとしましては、メキシコでは包括給与のもと計算が行われるためです。
社会保険法第 5 条 A-XVIII 章は、「社会保険計算のベースには、同法第 27 条で規定された項目を除く、給与、手 当、報酬受給、食費、住宅費、賞与、手数料、現物給付、および労務提供により労働者に渡されるその他の金額 もしくは手当で、実際に行なわれた支払いが含まれる。」と規定されており、これが包括給与となります。
この包括給与は、2ヶ月ごとに見直さなければならず、 算出に当たっては、対象期間の収入を対象期間の日数で割り算出します。
このため同じ収入であっても日数により 包括給与は変わることになります。

 

メキシコの社会保険料の構成メキシコの社会保険料の構成

社会保険料には、構成がありその構成により割合が異なる。労働者負担と事業主負担での構成とそれに伴う割合を下記に図式した。

項目 労働者負担の割合(%) 事業主負担の割合(%)
固定負担 20.40
追加負担 0.40 1.10
その他項目 休業補償 0.25 0.70
高額医療 0.375 1.05
労働災害 0.625 1.75
退職年金基金(SAR) 2.00
労働停止、老齢 1.13 3.15
保育 1.00
死亡事故遺族補償
労働者住宅供給基金(INFONAVIT) 5.00

※企業のリスクをメキシコ社会保険法(LSS:Ley del Seguro Social)の73条にて5つにクラス分けを定めている。その5つのリスクのクラスにより社会保険料の項目の一つである死亡事故、遺族補償の負担割合が異なる。

クラス1・・・・0.54355%
クラス2・・・・1.13065%
クラス3・・・・2.59840%
クラス4・・・・4.65325%
クラス5・・・・7.58875%

 

リスクのクラス分けは、毎年2月1日から2月末までに事業主が、情報の更新申請し、申請後、メキシコ社会保険庁(IMSS:Instituto Mexicano de Seguro Social)にて振り分けが行われる。またLSSにて、一度の更新で2クラス以上変更はされないと定められているため、前年度クラス2だった会社が更新手続を実施しても、本年度には、クラス1または、クラス3になる可能性はあるが、クラス4になることはない。

 

メキシコの社会保険料の計算式
社会保険料の一般的な計算式は、下記の通りである。

月額社会保険料 = 月額固定負担 + 月額追加負担 + 月額その他負担

上記の割合を踏まえ、項目ごとの計算を下記にて記述する。

 

今回、それぞれ給与設定額がUMA(※)3倍以下、3倍超~25倍以下、25倍を超える場合、3つのパターンに分けA、B、Cの三名の給与を例として記述する。

※UMAとは、Unidad de Media y Actualizacionの略で直訳すると測定データと更新である。

毎年2月1日にメキシコ国家統計地理情報局(INEGI:Instituto Nacional de Estadistica y Geografia )が公表をしており、インフレ率なども考慮された給与計算上の基準指標である。近年上昇している傾向にあり2019年2月1日データでは、日割にして84.49となっている。INEGIが、公表しているデータは、月割、年割も含み下記の通りである。

 

日割 月割 年割
2016年 73.04 2,220.42 26,645.04
2017年 75.49 2,294.90 27,538.80
2018年 80.60 2,450.24 29,402.88
2019年 84.49 2,568.50 30,822.00

例)給与の日割額(日給)を下記とし、2019年2月(月の日数が28日)で計算を行うものとする。

A=100(UMA:3倍以下)、B=1,000(UMA:3倍超~25倍以下)、C= 2,500(UMA:25倍超)

 

【固定負担】
事業主のみが負担する社会保険料であり、給与額による負担額の差がなく、全従業員が同額となる。

UMA×その月の日数×事業主負担割合 ÷100 = 固定負担月額
84.49 × 28 × 20.4 ÷ 100 = 482.60
※AもBもCも全ての従業員が固定負担の金額は、482.60となる。

 

【追加負担】
従業員の給与額によって金額が異なる。負担割合を乗ずる最大日割給与設定額は、25×UMA(84.49)である。

A B C
日割給与設定額 100.00 1000.00 2,112.25
UMAの3倍 ▲253.47 ▲253.47 ▲253.47
算出用額 0.00 746.53 1,858.78

 

追加負担額の計算は、日割給与×日数ではなく、日割給与設定額を用いる。そのため、Cの場合、計算を行う際には、2,500ではなく、2,112.25(25×UMA)を用いることになる。また、この数字にUMA×3の調整額を減算する。従って日給が、253.47以下の場合、追加負担は発生しないという事である。

 

上記で算出された金額にそれぞれ事業主負担割合と労働者負担割合を掛け合わせる。

A B C
事業主負担

(日額)

0

(0.00×1.1%)

8.21

(746.53×1.1%)

20.44

(1,858.78×1.1%)

労働者負担

(日額)

0

(0.00×1.1%)

2.98

(746.53×0.4%)

7.43

(1,858.78×0.4%)

 

 

上記は、日割の金額であるため、最後にその月の日数を掛け合わせる。追加負担の月額は、下記の通りとなる。

A B C
事業主負担

(月額)

0

(0×28日)

229.88

(8.21×28日)

572.32

(20.44×28日)

労働者負担

(月額)

0

(0×28日)

83.44

(2.98×28日)

208.04

(7.43×28日)

 

【その他の項目】
その他項目の計算方法は、全て同じである。また、この負担額も追加負担と同じように最大日割給与設定額は、それぞれUMAの25倍と定められているため、Cは2,112.25を用いて計算を行う。

その他項目適用金額(日給×該当月日数) × 各項目の負担割合 = 各項目の月額負担額

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
渡辺寛

 

 

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