マキラドーラとIMMEXの違いについて

こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、マキラドーラとIMMEXの違いについて記載致します。

 

質問)

 

一時輸入制度について、マキラドーラとIMMEXという2つの単語を耳にしたのですが、

これらは同じものを意味しているのでしょうか。

 

 

回答)

 

同じ意味として使用することも可能ですが、厳密に言えば少し異なります。

 

まずマキラドーラ(Maquiladora)とは、メキシコがアメリカや日本の資本誘致を目的として始めた保税委託加工制度のことであり、その歴史は1965年から現在に至るまで続いています。また、その制度に基づいてアメリカの国境沿いに設けられた保税輸出加工区のことも同じくマキラドーラと呼ばれています。ですので、制度の名称及びそれに関する地区の名称がマキラドーラ、ということとなります。

ちなみに、語源はスペイン語のMaquila(粉引き料)とdola(黄金)という二つの単語を合わせたものとなります。

 

対してIMMEXとはIndustria Manufacturera, Maquiladora y de Servicios de Exportacionの略称であり、Maquiladoraという言葉が入っています通り、これは2006年11月に公布されたマキラドーラの政令のことでございます。この政令以前には、旧輸出マキラドーラ制度とPITEX(Programa de Importacion Temporal para Producir Articulos de Exportacion)という2つの異なる保税加工制度が存在していたため、同政令により統合された形となります。

 

また、実際部品や原材料をメキシコに保税状態、つまり関税がかからない状態で一時輸入し、国内で加工後、再度無関税で輸出する保税委託加工のオペレーションを「マキラドーラ・オペレーション」と呼びます。IMMMEXプログラムに登録された企業のみがこれを実施することができますが、登録企業の中には、部品・原材料を購入し加工した上で輸出する「在メキシコ企業が所有する企業」と、外国企業から貸与された部品・原材料及び機械設備を用いて委託加工だけを行う「メキシコではない外国企業が所有する企業」の2種類があり、通常後者が行うオペレーションの方を「マキラドーラ・オペレーション」と呼びます。

 

まとめますと、IMMEXというのはメキシコ国内で2006年に公布されたマキラドーラの政令のみを指している一方、マキラドーラというのはIMMEX自体のことをそう呼ぶこともあれば、IMMEX以前のマキラドーラ制度や上記のマキラドーラ・オペレーション、あるいはそれが行われている地域のことなど複数の意味にとられるので、どの意味で使われているのかはよく確認する必要がございます。

 

清水皐

 

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