メキシコの労働者保護は強く、各方面で労働者が優遇、また守られています。そのため、日本人からすれば「どうして?」と思う制度多々存在しています。
ご存知の方も多いとは思いますが、例えば法定賞与やクリスマスボーナスとも言われるアギナルド(Aguinaldo)、年度利益の10%を従業員へ分配するPTU、そして、有給休暇を取得した際に25%の割増が行われるバケーションボーナスが有名なところでしょうか。
今回はこの有給休暇を取得した際の計算、具体的には給与明細への反映方法についてお話ししたいと思います。
メキシコの有給休暇については、有給休暇の付与日数、プレミアムバケーションの%などがメキシコ労働法に記載されております。
時々、「(他社との差別化を図るため)従業員の福利厚生の一環として、労働法に記載されている以上の有給休暇日数の付与やプレミアムバケーションを与えることは可能か」という質問を受けることがありますが、結論から言えば、可能です。
メキシコ労働法に記載されている内容は最低限の義務が記載されているため、記載以上に従業員を優遇すること、つまり従業員のデメリットにならない方向に変更を加えることは可能になるのです。
さて、有給休暇を給与へ反映させるにあたってメキシコでは給与明細上に“通常の基本給与”と“有給休暇を取得した基本給与分”を明らかにして記載する必要があります。
例えば、一か月が20営業日であり、一日分の基本給与が100MXNであった従業員がいたとします。もし、この従業員が1日分の有給休暇を取得した場合、給与明細上では以下のような記載がされるということになります。
基本給与(19日分) | 1,900MXN |
有給休暇として取得した基本給与分(1日分) | 100MXN |
有給休暇の取得に際してのプレミアム | 25MXN |
もし、有給取得分を分けて明細に記載していなかった場合は、有給休暇取得が明確化されていないため、場合によっては会社として明確になっていない有給休暇の分の支給が追加で必要になる可能性があります。
株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一
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