こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの清水皐です。
今週は、メキシコでの解雇について記載します。
質問)
従業員の不正が見つかりました。
この従業員を解雇することは可能でしょうか?
回答)
可能でございます。
従業員を解雇する際は
「会社都合解雇」か「懲戒解雇」
あるいは「自主退職してもらう」というパターンがあります。
「会社都合解雇」の場合は、
正当な理由のない解雇と認識され、解雇保証金を当該従業員に対して支払うこととなります。
解雇保証金は3か月分の給与+(勤続年数×日給20日分)なので、
当該従業員の勤続年数が長ければ長い程、膨大な額となります。
今回のケースでは、
従業員の不正が見つかった、ということなので
「懲戒解雇」としたいところですが、
メキシコでは労働者保護の意識が高いため、
正当な理由があったとしても、手続きの煩雑さや費用などを踏まえると
「懲戒解雇」を行うのは非常に困難とされています。
そのため多くの企業では、解雇保証金と同等の額を退職金として支払うことを前提に
自主退職の契約を締結させています。
また、現地の企業では、
従業員が調停仲裁委員会に不当解雇を訴えるケース等を踏まえて、
労働弁護士を雇っているところもございます。
清水 皐