皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコ現地スタッフの日本語能力について記載します。
質問)
私は、メキシコに現地法人を持っている会社の日本の人事担当者です。
現在、当社のメキシコ現地法人では、日本語とスペイン語を使える人材を探しています。自社でも探していましたが、良い人材が見つからず、メキシコの人材紹介会社にも依頼をしているようですが、当社が提示する給与水準では、なかなか人が見つからないようです。取引先企業に相談をしたところ、「現地の大学でも日本語を教えているところがあるので、日本語を学んだメキシコ人を採用してはどうか」とアドバイスを受けました。
実際、現地の大学で日本語を学んだ生徒の日本語能力はどのくらいなのでしょうか。また、こういった人材を採用する際に注意しなければならない点はありますか。
回答)
日系企業の進出が以前に比べて落ち着いているとはいえ、言語能力のある人材は不足をしており、まだまだ売り手市場であるのが現実です。実際当社にも「スペイン語と日本語が話せる人材を紹介して欲しい」という依頼は多くあります。しかし、供給よりも需要が多いため、条件(特に給与面)が合わずに、なかなかご紹介ができていない状況も続いています。
今回、ご相談があったように、メキシコのいつくかの大学では日本語を教えており、日本語を学んでいるメキシコ人の学生も増えてきているように思えます。そのため、このような日本語を学んできた現地の学生を採用するというのも一つの方法ではあると思います。
しかし、ここで気を付けなければいけない点は、彼らは学生(もしくは直近まで学生であった)であり、かつ日本語を学び始めたばかりの人材だということです。
基本は学校で学んでいるため、日本語の能力が“ゼロ”ではないにしても、経験したこともない仕事の中で、即戦力として業務をすることは簡単ではありません。もし、彼らにしっかりと働いてもらいたいのであれば、採用した側もそれなりの教育を実施することが必要です。
日本語の能力があり、会話ができてしまうばかりに、雇用者側が細かい指示を出さなくても「わかっている」と思い込んでしまい、教育を疎かにしたことで、業務が順調に進まないといったことも多々あるようです。
表面的に日本語の能力があるとはいっても、彼らが違う文化、異なる教育を受けてきていたことには変わりありません。採用をする際にはその点を気を付けて頂ければと思います。
黒岩洋一