こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。
今週は、付与型の目標が上手くいかない理由について記載いたします。
質問)
先日貴社の人事評価制度構築に関するセミナーに参加させていただきました。
ご案内されている評価制度の内容と弊社にて運用しているものとは
類似している点も多くあったのですが、
一点目標設定方法に関して弊社ではすべて会社からの付与型としております。
貴社では各社員が目標を自己設定しているようですが、
正直弊社の社員に関して考えると的確な目標を設定できるとは思えません。
それでも自己設定にこだわるべきでしょうか。
また、弊社では目標を設定させる際のコツなどございますでしょうか。
回答)
セミナーへのご参加、およびお問い合わせをいただきありがとうございます。
弊社がご案内している人事評価制度では、
MBO(成果目標)とコンピテンシー(行動目標)の2つの軸をもって評価をいたします。
MBOに関しましてはすべて会社から付与しておりますが、
コンピテンシー項目の具体的な目標は各社員に自己設定をさせております。
ただ、全く白紙の状態で行動目標を決めさせるのではなく、
会社としての方向性はまず定めるようにしております。
例えば、会社として営業職の社員に対して
「チームとしての結束力」「顧客拡大力」の向上を求めている場合、
こちら二つをコンピテンシー項目として評価シートに記載し
具体的な行動内容は各社員に考えさせる、ということとなります。
設定してもらった目標については、評価期間の冒頭で評価者との面談を行い
しっかり方向性をすり合わせてから目標内容の承認をしております。
弊社がこのように工数をかけてでも、目標の自己設定にこだわっている理由ですが、
評価制度を以て社員教育にも繋げるためとなります。
目標をすべて会社から付与してしまうと、どうしても「やらされてる感」が拭えず
社員によっては設定された目標に対し主体性を持って行動しなくなってしまいます。
目標を自己設定する、ということは
自分自身の日々の行動を省みて、自分で改善点を見つけ出す必要がございます。
また自分で設定した目標を評価者の前で宣言することで、
評価期間中のモチベーションも持続すると考えております。
コンピテンシーの項目に関しては会社から付与されているとはいえ、
やはり人によっては
目標内容のレベルが低すぎる、方向性が異なってしまうといったことも起こり得ます。
そういった目標を軌道修正する場面では、評価者としてのスキルが求められます。
被評価者が日々項目に関連した行動をどの程度達成できているか、
現状のレベル感を捉えた上で、的確なフィードバックをしつつ
本人にとっての目標内容の難易度を調整いたします。
現状のレベル感が分かりづらい場合は、
各業務をフェーズ分けしどの部分につまりがあるかを分析していく等の方法がございます。
特に初めて評価を行うような方にとって、
最初から上記のことを滞りなくできるケースは少ないかと存じます。
そのため、弊社の人事評価制度は、「評価者の育成」という点にも注力し
運用ができるような制度内容となっております。
今週は以上となります。
弊社では評価制度の運用部分に関しましてもサポートを行っております。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気兼ねなくお問い合わせください。
株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
清水皐
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。