皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコのGastos No Deducibles(損金不算入費用)の科目ついて記載します。
質問)
メキシコ子会社から送られてくる損益計算書を見ると「雑費」の項目が不自然なほどに多額になっています。試算表も送ってもらい、確認をしたところ、“Gastos No Deducibles”という科目が大きいことが原因のようです。この科目はどのような取引に用いられるものなのでしょうか。
回答)
“Gastos No Deducibles”とは、日本語に訳すと“損金不算入費用”ということになります。その名の通り、税務会計における損金不算入となる費用のことですが、メキシコでは日々の取引(仕訳)において、発生する費用を損金算入費用なのか損金不算入費用なのかを科目で分けて処理する必要があります。
例えば、タクシー代(交通費)であったとしても、FACTURA(電子請求書)が発行されるものは損金算入可能ですが、発行されないものは損金不算入となります。つまり、同じタクシー代であっても損金算入費用と損金不算入費に仕訳を分ける必要があるということです。
この損金不算入費用という科目に関してよく相談いただく内容の中に、「“Gastos No Deducibles”の内訳(具体的な取引内容)が分からない」といったものがあります。これは、現地担当者が損金不算入と判断した取引を全て“Gastos No Deducibles”を使って処理することで生じる問題です。
現地の担当者は税金計算を目的として会計処理を行っているため、損金不算入費用の内訳を分けるという発想を持っていないケースが多々ありますので、金額が大きくなるまでに確認を行っておいた方がよいでしょう。