メキシコ事情

その他

こんにちは、メキシコ駐在員の片瀬です。

ようやくメキシコでのビザの申請がおりました。次は8月9日(金)に日本で面談(発行の手続き)を行ってようやくビザが発行されます。ビザの申請を始めてから約5カ月間掛かりましたがようやくです。

ビザ取得のルールが改正されて半年ちょっと経ちましたが、ようやくちらほらと改正後に申請を始めた方達のビザの申請がおりてきました。おそらく今後は4~5カ月前後でビザの現地での申請がおり、1月かけて日本で面談を行うという形が定着しそうです。つまり、ビザの申請を始めてから約半年でビザの取得が完了することになります。ビザのルールが改正される前は1月程度で取得できていましたので、6倍も時間がかかるようになってしまいました。また以前はビザの切り替えを現地で行うことができましたが、現在はメキシコ国外でなければビザを取得することはできません。そのため、多くの方が日本に一時帰国し、日本で面談を行っているのが現状です。日本での面談は予約制(メキシコでのビザの申請がおりてから15営業日以内に日本の面談を予約しなければなりません。)であり、1日3人程度行っているようです。現在はそこまで混んでいないために2週間程の待ち時間でありますが、今後も日系企業の進出が増えるのであれば、それに伴って待ちの時間も長くなることが考えられます。また、面談(アメリカは面談無しの場合も)について、つい先日まではアメリカで行うことができたのですが、現在はアメリカの一部の州をのぞいてアメリカでビザの面談を行うことはできなくなっている模様です(アメリカの居住者であれば面談する事はもちろん可能)。

この部分が未だに混乱を呼んでいる部分でありまして、中には15日以内に予約ではなく、面談を行わなければならない。また、アメリカでビザ発行の手続きを未だに行えると言っている方も多くおります(正式には、現地でのビザ申請の手続きが終わり、メキシコにおいて申請の認可が下りた場合には、認可を受けた本人が日本のメキシコ大使館に連絡し、面談の設定を行います。この面談の設定は認可後15日以内に行わなければならず、面談を設定する期間は150日以内となります。面談は数十分で終わり、即日ビザが発行されます。

これで、ようやく私もビザ保有者となります。・・・長かった。ビザが無いといろいろと不便です。とにかく契約関係が一切(例外もありますが)できません。契約関係が一切できないというのは住むところを借りられないし、免許が取れない、銀行口座を開けない、もうこれだけでも鬼の辛さです。まぁ裏技もありますので、困ったら是非聞いてください。ただいろいろ面倒くさく私は利用していませんので、やはり鬼の辛さです。ビザ取得のルールが変わってからは、多くの日系企業が旅行ビザ(180日滞在可)で現地に入って、ビザの申請がおりた後に日本で面談を行うという形でメキシコに入っています。皆さんいろいろと苦労されているようです。

私もようやくこれで車の免許が取れます。実はメキシコは世界で1番免許を簡単に取ることができる国なのです。知っていました?所要時間なんと30分。そのため免許センターはメキシコで唯一機能している行政機関といわれております。他の行政機関はもう・・・・笑えます。ただ、メキシコは車が非常に多く、多くのメキシコ人はF1ドライバークラスのドライブテクニックを持っていますので、その中に飛び込んでいくにはかなりの勇気が必要です。十分に注意してください。特に彼らのブレーキのテクニックと、空間把握能力は天才的です。日本人の私からしたら、ブレーキを踏むのが遅すぎで常に胃がキューっとなりますが、彼らは余裕の顔をして絶対に止まります。また我先にと皆が非常に頑張るので、日本人の私がおそらく見たことがないであろう車線変更を誰しもが見せてくれます。まぁ彼らには車線という概念がおそらく存在しないのでしょう。・・・そもそも交通ルールという概念が存在しません。なんせ30分で免許が取れますから(笑)。言ってしまえばメキシコの交通ルールは「行くぜー、俺は行くぜ―」です。相当coolですよね?でも彼らの殆どが心の底からそう思っているので、それはそれでルールとして成り立つのです。そこに「行けない奴」がいるとどうなるでしょう?日本人がメキシコで追突されることが多いのはこの様な理由があってなのです。郷に入りては郷に従え、まさにその通りですね。

また、メキシコは道路の状況も悪く、ところどころに穴があいています。ひび割れとかのレベルではなく・・・そう、穴です。穴は大きいもので直径50センチ深さ20センチぐらい。雨の日の夜は、その穴にはまってパンクというのがメキシコでのデフォルトのようです。晴れの日は決して穴にはまりません。なぜなら穴が見えますから(笑)。

話は大きく変わりますが、メキシコでの新卒での平均給与は40,000円~50,000円程度であり、プロになるまでの給料は日本に比べかなり安いです。ただ、メキシコの物価水準は、衣料品は日本と同じぐらい、食品は日本の2/3ぐらい、住居は金額的には日本と同じくらい(広さは日本の2倍~3倍はあります(狭い部屋がありません))、家電製品は日本の方が安く、メキシコは日本の1.5倍ぐらいします。これらの物価を総合的に勘案すると物価水準は日本の大体3/4ぐらいだと思います。つまり物価水準を統一するのであれば、大体新卒で53,000円~66,000円程度の給与となります。日本だと新卒の平均給与は大体220,000円程度でメキシコと比べて大体4倍ほど違います。これがプロになると大体同じくらいの給与水準(メキシコの方が若干安いぐらい)に落ち着きます。

ブラジルは新卒の平均給与は60,000円~80,000円程度で物価水準は大体日本の1.2倍程度(都市圏に限りですが、日本より物価は高いです。)でこちらも物価水準を統一すると50,000円~60,000円程度となります。詳しくは調べていませんがおそらく他の国も物価水準を統一すると同じぐらいになるものと思います。

世界では新卒の平均月給は日本円に換算すると大体60,000円程度なのです(すみません。調べていませんが言い切ります)。日本人の新卒の方に今後あなたの給与は60,000円ですというと不平しか出てきませんが、これがもし、最低賃金がなく最初から60,000円が平均という世の中であればいったいどうだったのでしょうか。・・・という仮定の物語を最近よく考えます。

そう考えれば考える程に、社会が発達するためには不自由さが必要なのだという結論に達してしまいます。不自由さと不自由からの脱却をしっかりと与えてあげると人間は自己の力を最大限に引き出すものと思います。最低賃金を調べようとネットを開くと最低賃金と生活保護どちらが得か?などというサイトもありました。やはり日本人は満たされすぎてしまったという思いがどうしてもぬぐえません。

お腹がすくとご飯を食べます。でもお腹がいっぱいであればご飯は食べません。本当に簡単な例ですが、全てのことはこれと同じであり満たされると人は何もしなくなるのです。日本では40代半ばを過ぎて勉強を始める方が非常に多いですが、これは自分の人生の半分を生き、残りの自分の人生が予想できてしまうためです。その瞬間に人は満たされなくなるのです。私の人生はこんなのでは無いと…しかし、そこから始めるのはあまりに遅い…

正直、私は現在の新卒の給料を60,000円にしても不平が出てこないような会社を作りたい。そのためには160,000円分の価値をその新卒に与えなければなりません。その価値を何に設定するか?そう考えると絶対に対価は、経験とゴール(上記では不自由からの脱却と書いていますが)になります。どんなに考えてもこれ以上の答えが見つかりません。ここで私がいつも次に考えることは、経験があるからゴールがあるのか?、それともゴールがあるから経験があるのか?です。このゴールというものは、不自由を感じている者が可視化できるものでなくてはなりません。そうしなければ不自由を感じている者が自分で不自由からの脱却(ゴール)を創造してしまいます。彼らは本音では一刻も早く不自由からの脱却をしたいのです。でも結果は、彼らが創造したゴールは安易なものであり、彼らを不自由さから解放するものではなかったのです。残念ながら。

これ以上書くと長くなりそうなので、今回はここまでとしますが、不自由さは人を高めると言うのは本質ぽいと最近つくづく思います。もちろんゴールとセットで見せる必要はありますが。皆さんが掲げるゴールとはなんですか?会社が掲げるゴールとはなんだと思いますか?その2つは共通するものですか?基本的には会社が掲げるゴールの方が思考が入らないので本質に近い気がしますので、会社が掲げるゴールを達成する為の道を描く方が良いのかもしれません。まぁ、いずれにせよまずは死ぬほどの努力ですね。

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