皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコでの減給対応について記載します。
質問)
以前、御社のブログを通じて「メキシコでは減給はできない」という記事を拝見させて頂いたことがあります。そのため、私はメキシコでは減給を行うことが禁止されているものだと思っていたのですが、先日取引先の人から以下のようなことを聞きました。
「メキシコで減給そのものは禁止されておらず、当社へ転職してきた社員の中にも以前の会社(メキシコ現地企業)で減給をしていたらしい」
口で言ってもなかなか勤務態度が改善しない社員もいるため、禁止されていないのであれば、減給制度のような罰則を当社も導入したいと考えている次第です。
メキシコにおける減給についてもう少し詳しく教えてください。
回答)
当社のブログを拝見して頂けたとのこと、誠にありがとうございます。 改めてメキシコにおける減給の対応に関してまとめたいと思います。
結論から言ってしまえば、減給行為そのものは法律では禁止されていないため、実施することは違法ではありません。つまり、法的には可能です。
ただし、減給を実施したことによって従業員が会社を訴えたり、それを理由として退職をするケースがあるため、実質的には減給処分を行うことができない(かなり難しい)。ということになります。
従業員は会社から不当な扱いを受けた場合、それを理由として会社を辞めることができます。そして、この不当な扱いを理由とした退職の場合、会社は当該従業員に対して退職補償金を支払わなければなりません。この不当な取り扱いの中に“減給”が含まれているのです(メキシコ連邦労働法(LFT:LEY FEDERAL DEL TRABAJO)51条)。
メキシコは労働者保護がとても強いため、このように減給という処分を行っただけでも会社側が不利な対応を実施しなければならず、実質的には減給処分という対応ができないということになります。
もちろん、従業員が自分の非を認め、減給処分を受入れたのであれば、減給そのものは違法行為ではありませんので、何の問題も生じません。しかし、ほぼそのようなことは起きないと思った方が良いでしょう。これらのことを踏まえて、減給の対応を考える必要があります。
株式会社東京コンサルティングファーム
メキシコ拠点
黒岩洋一
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