メキシコ現地法人における減資の手続きについて

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコ現地法人における減資の手続きについて記載します。

 

 

質問)

現在、弊社のメキシコ現地法人は、可変資本株式会社の形態をとっているため、増資の手続は特に制限も無く、株主総会の開催、その後の公証手続を行うことで実施することが可能だと認識しております。その一方で、減資を行いたいときには、具体的にどのようなプロセスが必要となるかがよくわかっていません。可変資本会社であれば、減資の手続も増資と同じプロセスを取るだけで簡単に実施できるのでしょうか。一般的に増資よりも減資を実施する方が手続自体は難しいという認識です。

増資手続きとの違いなどを踏まえて教えてもらえないでしょうか。

 

回答)

今回質問いただいた減資の手続きに関してですが、メキシコの商事一般会社法、いわゆる会社法として実施しなければいけない手続そのものは、増資のプロセスとほぼ同じです。しかし、メキシコにおける減資手続は、税務面において複雑なところがあります。

 

 前述したように、会社法のアプローチにおいては、減資の手続も増資の手続とほとんど同じとなります。以下に、可変資本会社における増資と減資のフローをまとめました。

 

【増資手続】

①  増資に関する決議のための株主総会の開催

②  株主総会議事録の公証手続

③  (固定資本部分を増資させる場合)商業登記手続

 

【減資手続】

①  減資実施に関する告知

②  減資に関する決議のための株主総会の開催

③  株主総会議事録の公証手続

④  (固定資本部分を減資させる場合)商業登記手続

 

見て頂くとわかるように、減資の場合は増資と異なり、実際に株主総会で決議を行う前に減資実施に関する公への告知を、一定期間実施しなければなりません。

 

また、減資の株主総会決議を行ったとしても、減資した株主の責任範囲は直ぐには変わらず、以下のように総会の開催時期によって減資以前の責任が続くことになります。

●会計年度の最終四半期前(1~9月)に開催・・・同年年度末まで

●会計年度の最終四半期(10~12月)に開催・・・翌年年度末まで

 

 さて、減資を実施する際には、税務面において複雑な点があることを伝えましたが、それは、メキシコでは減資を実施するということを利益分配(配当)であるという認識を取るからとなります。このことによって、減資する金額によっては所得税が課せられることになり、税金計算を実施しなければならないからです。

 

 

黒岩洋一

 

 

 

 

関連記事

ページ上部へ戻る