メキシコの現地契約情報・1

メキシコ駐在員の片瀬と申します。少しばたばたしておりまして、ブログの更新が滞り申し訳ございません。
本日は以下2本立てでお送りします。

①メキシコの現地契約情報
②12月16日(月)に私が日本で行うセミナーについて

【①メキシコの現地契約情報】
新規進出の会社様は実際に進出に一つ目途がついた段階でオフィスと社宅について探し始めますが、ここで早速問題となることがあります。それは会社が未だに無い状況では、オフィスと社宅についての契約ができないということ。また、会社の設立が完了していたとしてもメキシコの就労ビザを持っていない代表取締役はメキシコ国内で契約書にサインを行う権限を持っていないということ。
つまり会社が無い段階ではもちろんのこと、会社がある段階でも契約を結ぶことが困難であり、オフィスや社宅についての契約(その他全ての契約を含む)に困ってしまっている方がメキシコには多くいらっしゃいます。
特に昨年のビザ取得ルールの改正以来、ビザ取得までの期間が6月程度係る場合もあり、会社を設立しても6月間契約を締結することができない・・・なんて状況も考えられるのです。

そこで以下体系的に契約についてまとめてみます。

<会社設立前に契約が必要となった場合>
①現地会社の名義を借りる方法。
②親会社との契約とする方法。
③個人との契約とする方法。

<会社設立後ビザ取得前に契約が必要となった場合>
①法定代理人の名義で契約する方法。
②唯一代表取締役(VISAなし)の名義で契約をする方法

本日は、<会社設立後ビザ取得前に契約が必要となった場合>について解説します。

上記の場合における契約書の種類は2種類あります。法定代理人の名義で作成する契約書と唯一代表取締役(VISAなし)の名義で作成する契約書、この2種類です。これはその名の通り契約書のサイナーが誰になるのかということです。法定代理人か唯一代表取締役か。

ただ基本的に、設立後は自社にコミットした唯一代表取締役が契約書にサインをしたいという思惑があると思います。法定代理人はその名の通り、会社設立のための代理人であり、その後のビジネスには関与させたくはありません。その為に唯一代表取締役のサインで契約書を作成したいのですが・・・。メキシコには、メキシコ国内における契約書のサイナーは就労ビザの取得者でなければならない旨が定められています。ここでポイントとなるのが上記の「メキシコ国内における契約書のサイン」という文言です。言いかえればメキシコ国内が契約締結地となる契約書のサイナーは就労ビザ取得者でなくてはならないです。つまり契約締結地がメキシコ国内でなければビザ取得者でなかったとしても唯一代表取締役のサインで契約書を作成することができるのです。
具体的には、日本において唯一代表取締役の名義で契約書を作成します。それを日本の公証役場において公証を受けることにより、ビザ取得者でなくてもサインすることが可能となり、問題無くメキシコの契約書としての効力を発揮するのです。

次に、ビザが取れるまでの期間は長くても6カ月間(現在は少しずつ短くなってきています)であるために、唯一代表取締役ではなく、法定代理人の名義を借りて契約書を作成するという場合について説明します。ただ、これについては説明と言う程ではありません。FM3ステータス以上のビザ取得者しか法定代理人にはなれませんので、法定代理人は問題無く契約書にサインを行うことができます。
この場合の留意点は2点です。唯一代表取締役のビザが取れた段階で法定代理人の名義を書き換えること、また、定款に記載する設立を委任する者と法定代理人は違う概念なので、しっかりと法定代理人の名義で契約を締結する必要があること(間違えて「設立を委任する者」の名目で契約書を作成しないこと)。

これらのメリット・デメリットは(まぁそこまで重要ではありませんが・・・)、
・唯一代表取締役名義:信頼のおける者による契約、手続きが煩雑
・法定代理人名義:手続きが容易、名義借りフィーの発生、外部の者による契約
特にメキシコは形式主義大国であるために契約書をしっかりと作成しなければ、有事の際に問題が拡大することが多くあります。また、現地の企業や人材と契約を行う場合には、後だしで必要資料を要求してきたり、契約当事者によって要求される資料が違ったり、少しでも自分たちが有利になるように契約書を勝手に修正したりと、かなり慎重に行うことが必要とされます。(まぁ、慎重に行って言質を取ったとしても、それを簡単に反古にするのがメキシコ人ではございますが・・・)

 

【12月16日(月)に私が日本で行うセミナーについて】
本日は、12月16日(月)に行われるメキシコセミナーの情報をお伝えできればと考えています。

【詳細】
日時 :2013年12月16日(月) 19:00~21:00(18:30開場)
会場 :〒160-0022 東京都新宿区新宿2-5-3 AMビル7F
受講料 :無料(定員:30名)
申込方法:TEL/03-5369-2930 FAX/03-5369-2931 E-mail/f-info@kuno-cpa.co.jp

※今回は良い資料ができましたので、少しでも多くの方にご覧頂きたいと考えています。そのために当日会場に来られない方のためにも無料で資料を送付致しますので、ご興味がある方は上記のEmailアドレス(f-info@kuno-cpa.co.jp)にご連絡頂ければと思います。
※2時間のセミナーでスライドが80枚程度になりましたので、重要な部分のみをかいつまんでの説明になると思います。規定は読めばわかるので、実務上の留意点を細かく説明する予定です。
※対象は今後メキシコに設立しようとしているお客様、現在設立中のお客様に、是非聞いて頂きたいと思っています。
※今回は設立にある程度特化したセミナーになってしまいますが、設立後、一定期間経過したお客様には、現在別に2014年の税制改正をまとめた資料を作成しています。もし、2014年税制改正資料が必要であれば上記メールアドレスにご連絡を頂ければと思います。完成後(12月末予定)にメールにて当該資料をお送りさせて頂きます。日本語での資料は現在全く出回っていないために必見です!!!(このブログでしか告知していません。お誘いあわせの上、ご予約頂ければ幸いです。)

<セミナーサマリー>

一部19:00~
1.進出に伴うリスク
2.進出に伴うインセンティブ
3.進出の具体的スケジュール
4.VISA取得の具体的スケジュール

二部20:00~
1.メキシコにおける税制度の解説
・主な税金の種類
・個人所得税
・法人所得税
・付加価値税
2.事例検証
・3者間貿易
・租税条約上の技術役務の提供
・マネーロンダリング関連法
・PE認定の実務

 

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