株主総会は、株式会社の最高意思決定機関であり、株主は株主総会を通じて会社の活動や方針などを決定します。
メキシコの株主総会には、通常総会と特別総会があります。
通常総会については、発行済株式(議決権)の過半数を有する株主の参加により、法的に招集が認められ、当該参加株主の過半数の賛成 により決議されます。特別総会については、発行済株式(議決権)の7 5%超を有する株主の参加により、法的に招集が認められ、当該参加株主の過半数の賛成により決議されます。
さて、通常総会と特別総会のいずれにおいても、会社の登記住所で株主が集まって開催しなければいけませんが、実務上メキシコの株式会社が、実際に株主を会社登記住所に集め、株主総会を開催することはほとんどありません。
実際問題として日系企業の場合、わざわざ株主総会のために渡墨するということはないでしょう。
そのため、実務においては委任状(英:Proxy letter、西:Carta de poder)を作って、株主総会の開催をメキシコに居住している者に委任するのです(実際に開くというよりは、委任状や株主総会の議事録を残超すという行為になります)。
その際、委任状(英:Proxy letter、西:Carta de poder)にはもちろん、株主の署名をもらうことになりますが、そのほかにも保証人(英:Witness、西:Testigo)と呼ばれる人たちからも署名をもらう必要があります。
時々、「保証人(英:Witness、西:Testigo)とは誰のことですか」と言う質問を受けるので、簡単にご説明します。
この保証人(英:Witness、西:Testigo)と呼ばれる人たちは、その名の通り委任状の内容を“保証する”する人のことです。この場合の内容の保証とは、委任状の記載内容と株主の署名などによります。そのため、保証人(英:Witness、西:Testigo)として署名できる人物は、その委任状へ署名した株主以外の者であれば誰でも可能となります。
一つの委任状(英:Proxy letter、西:Carta de poder)に対して通常は2名の保証人(英:Witness、西:Testigo)が必要になりますので、有効となる委任状を1枚作成するためには、3名以上の署名が必要となることになります。
もし、自社で保証人(英:Witness、西:Testigo)を2名準備できない場合は、現地の弁護士事務所や会計事務所にその旨を事前に相談しておき、対応をしてもらうようにしておきましょう。
株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一
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