在庫の会計計上について

 

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの藤田大です。

今週は在庫の会計計上について記載します。

 

質問)

初めまして。赴任して2カ月になりますが、社内で一つ懸念事項が出ています。
在庫関連の問題なのですが、簡潔に申し上げますと、
実地棚卸と会計データの数値が一致していない。というものになります。

弊社では在庫管理システムも利用していますが、運用が上手くいっていないように感じています。
どこから手を付けるべきか分からず、どのように対処すべきか、アドバイスを頂く事は出来ますか?

回答)

在庫に関する問題は、企業様からよくご依頼を頂く問題点の一つです。
先ず、全体を理解する為にあるべき姿と問題点、解決策を整理してまとめていきます。

 

【あるべき姿】
実地棚卸に基づいて、実態を在庫システムに正しく反映させる。
※この時点で数値が一致しているか否か、チェックしなければいけません。

次に、在庫システムの数値と企業会計上に反映させる。
※同じく、数値(期首、期末残高)の一致をチェックします。

プロセスは単純であり、
実態と企業会計が相違なく計上されている事が必要になります。
では、多くの企業においてなぜ問題が起きてしまうのか。 問題点でその原因を確認してみましょう。

 

【問題点】

問題は企業によって異なりますが、このブログでは一例を紹介していきます。

・在庫(販売原価)の誤入力
→輸入による仕入れを実施した場合に発生しやすいと考えられます。
メキシコでは「ペディメント」と呼ばれる証憑を基に会計計上しなければいけません。 ※このペディメントには、関税、輸送費等の金額が含まれています。
一方で、企業によっては「ペディメント」とは別に、注文書に応じた請求書を発行する場合があります。

その請求書には、販売価格は記されていますが、関税や輸送費は含まれていない可能性があります。
実際の例として、システムの入力担当者が「ペディメント」ではなく、「請求書」
を基にシステムに数値入力をしていた事によって、差異が生じていたケースがあります。

・企業会計上との登録月の不一致
→例えば、システム上で記録し忘れていた証憑があったとします。
システム担当者が入力漏れに気付き、2カ月前のデータを上書きして更新してしまった場合、会計上の記録と差異が発生してしまいます。
つまり、毎月一致をチェックしていても、累計でチェックした際に差異が発覚する可能性がある。 という事になります。

 

【解決策】

これらの多くは、「システムの入力担当者」と「会計入力担当者」が異なっているために起きてしまう問題。つまり連携不足によるものであることがほとんどです。
特にシステム入力担当者が、会計の重要性(遡及修正、電子会計に関しての知識等)を認知していない為に、起こり得る問題であると言えます。

また、マニュアルがあったとしても、そのマニュアル自体の正確性、実際の運用状態の確認等、結果に繋がっているかをチェックする必要があります。

特に過去から実態と企業会計が不一致のままとなっている企業様に関しては、
遡っての確認が難しい事も事実としてあります。
SATから指摘を受ける前に、実態に伴った企業会計を整える事を推奨します。

 

一連のサポートが必要な場合は、
是非、東京コンサルティングファームまでお問合せください。

 

 

 

東京コンサルティングファーム  メキシコ拠点
藤田大

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

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