今のように経営環境が変化する中、指示命令だけで人を動かすのは難しいので、
メンバーが共感するビジョンを設定して、
ひとつに想いまとめ協力し合える関係をつくれる共感型リーダーが求められていると言われています。
そもそも、共感とは、「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること」です。
共感力は、自分から相手に共感できる力であり、具体的には共感を通じて
相手の「信頼」と「承認欲求」を満たしてあげられる能力です。
認知神経科学が専門の井良太氏は、共感には「感情的側面」と「認知的側面」があるとしています。
「感情的側面」とは、他者の感じていることを自分の感覚として感じること。
例えば、事故の映像を見て、自分の痛みとして感じたり、
幸せそうな家族の写真をみて微笑ましい気持ちになったりする状態です。
一方、「認知的側面」とは相手の立場から見える状況を推測して分析すること。
相手の視点や立場を理解することであって、その人に「感情移入」するわけではありません。
リーダーに必要な共感力についてキプロス ニコシア大学の准教授Theano V. Kalavanaは、
優れたリーダーは、感情の共感と認知の共感の2つの違いを理解し、
それぞれが持つ威力をいかに利用するかを心得ている、といいます。
そして、優秀なリーダーほど「感情」の共感よりも「認知」の共感により重きを置くというのです。
ダニエル・ゴールマンは、「共感は『ぼくもOK、きみもOK』などという甘ったるい関係を意味するものではない。
集団の感情に追従したり全員に気に入られようとするのがリーダーの役割ではない。
そうではなくて、共感とは従業員の気持ちを良く考慮したうえで聡明な決断を下すことなのだ、と言っています。
リーダーの共感力は、周囲の人々のパフォーマンスに影響を及ぼします。
リーダーとして部下の苦しみや喜び、そうした感情に共感することは、必要だと思います。
しかし、感情よりも認知の共感にフォーカスすることで、
部下から気になっていることに気づいてもらえた、認められたと感じ安心感を得て、
次の一歩に踏み出せるのではないかと思います。
感情にフォーカスすると決断を迷ったりするので、
理性でロジカルに相手の視点や立場や関心ごとにフォーカスすることで
相手に効果的な承認をすることができ、信頼関係を構築できるのです。
以上となります。
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株式会社東京コンサルティングファーム
取締役・税理士 東 真奈美(Higashi Manami)
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