ロワーマネジメントの仕組み化①

こんにちは、株式会社東京コンサルティングファームの小林です。

前回は、仕組み化を以下の2つに分けて考えてみました。

  • 勝手にアウトプットされる仕組み
  • プロセスのルール化による仕組み

今回からは実際の会社組織に当てはめてどのような仕組みを構築していけばよいのかを考えていきたいと思います。

 

最初は、より現場よりのロワーマネジメント業務の部分です。

実はこの部分こそ、直接的にかかわる人数が最も多い部分なので、一番重要であり一番仕組化をやり抜くまでにパワーを使う部分になります。

 

まず、考える必要があるのがロワーマネジメントの仕組みによって何を実現したいのかという目的の部分です。

この目的が曖昧だと、ITシステムを導入したものの、まったく生産性が上がらないということや、数年前に作ったマニュアルが誰の目にも触れないまま、社内サーバーから数年ぶりに発掘されるといったようなことが起こってしまいます。

 

ここの目的としては、多くの場合生産性向上ということになると思いますが、生産性というのは、

アウトプット÷インプット

で表されます。

 

つまり、生産性を高めるということは、アウトプットを増やすかインプットを減らすということになります。

  • ①アウトプットを増やす:単位当たりの売上高を増やす、時間当たりの業務処理量を増やす
  • ②インプットを減らす:単位業務あたりの時間・コストを削減する

というアプローチになります。

 

そして①のアウトプットで言うと、単位当たりの売上を増やすには、(a)単位当たりの顧客数を増やす というアプローチと、(b)客単価を増やす というアプローチが考えられます。

②のインプットでは、(c)全体の業務量を減らす というアプローチと、(d)業務量は変えずにそれをより少ない人数や時間でできるようにする というアプローチが考えられます。

 

このように、目的からどのアプローチをメインにするのかを考えていくことが、取りうる手段の選定や、実際の効果測定に役立ちます。

 

さて、上記の(a)と(b)、(c)と(d)とをそれぞれ比べると、一般的に高度な判断や技術を要するものはどちらになるでしょうか?

客数を増やすのは、行動量を増やすことで可能になる一方で、客単価を増やすには顧客に追加で購入してもらう必要があり、少し高度なテクニックが必要になりそうですね。

また、業務量を減らすというのは、本当に削減してよい仕事なのかという高いレベルでの判断が必要になります。

 

こうした技術や判断を要するものは、どういう仕事の仕方が正しいのかということを上長やマネジメントレベルで考えてから仕組みにしていく必要があります。
つまりセールスであれば売れている営業の取っている行動を仕組みの中に取り入れるという形です。

ここは冒頭で言うところの、ルール化による仕組みづくりになります。

 

一方で顧客数を増やす、単位業務あたりの時間・人数を削減するというアプローチは、反復継続的な仕事のスピードを上げることである程度実現可能になりそうです。
こちらについては、勝手にアウトプットされるような仕組みづくりが有効になります。

例えば手入力でやっていた部分をExcelの関数やマクロなどを使って自動化するということなどが当てはまります。

 

業種や職種によって、上記の(a)~(d)のどこに生産性における課題があるかは異なりますので、自社や自部門ではどの部分が課題なのかという点をまずは明らかにして、どのように仕組みを作っていくのかを考えていくことが必要になります。

セールスの現場でもコンビニエンスストアと高級車ディーラーでは、生産性の課題が異なることは想像に易いと思います。

 

次回は、ロワーマネジメントの仕組み化の最大の敵であろう、例外処理について述べていきたいと思います。

以上、お読みいただきありがとうございます。

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