他国採用のインドネシア勤務の場合の待遇について

労務

みなさん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、インドネシアオフィスの長澤です。
今週は、他国で採用し、インドネシア勤務とする場合の待遇についてです。

日本あるいはシンガポールなど他国で採用し、勤務地はインドネシア、というようなケースがみられます。そのような場合の待遇はどうなるのでしょうか。特に現地での雇用契約はなく、海外での雇用契約のみがあるインドネシア人がインドネシアで勤務する場合の個人所得税や社会保険の取り扱いについてみてみます。

このケースは、結論からまとめると、所得税はインドネシアで申告、JAMSOSTEKは加入しない、となるかと考えられます。

判断としては、常駐でインドネシアにいらっしゃるか定期的な勤務かにより異なります。
今回のケースでは前者にあたり、インドネシアに居住していると判断されますので、インドネシアで個人所得税の申告をする必要があります。所得税については、給与の支払元がどこであるかに関わらず居住性において判断されます。なお、インドネシアの方で前職があれば、既に納税番号/NPWPがあるかと思われます。

JAMSOSTEKについては、通常給与の支払なく加入というケースはみられません。ただし、もしどうしても加入させるという場合には、少なくともインドネシアにおける雇用関係が必要となります。これは、あくまでも会社の従業員としての加入となるためです。また、少なくとも一部の給与をインドネシアから支払うなどの指摘をされる可能性は考えられます。

なお、今回のケースで海外の法人にて全て給与を支払っている場合には、海外の法人からインドネシア法人に対する寄付金に該当するとして海外の法人にての税法上損金不算入として課税リスクがあります。

インドネシア国内で雇用契約なく勤務させるという点につきましては、現地に法人を構えて営業活動等を行っているとしてPE(恒久的施設)課税の対象となるリスクも考えられます。

かなり稀なケースかとは思われますが、現地法人設立前のインドネシアスタッフの雇用、あるいは協力会社等への出向等の場合にみられるかと思います。上記それぞれのリスクも考えられますので、十分な注意が必要となります。

以上

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