インドネシアのリース会計基準

経営

こんにちは
PT. Tokyo Consulting(東京コンサルティンググループ)の内野です。

平素よりご愛読いただき誠にありがとうございます。
今回は「インドネシアのリース会計基準」についてです。

 

1.企業会計基準の大幅改定

インドネシアの金融監督庁(OJK)と会計基準審議会(DSAK)は、国際会計基準審議会(IASB)が策定する国際財務報告基準(IFRS)へのコンバージェンスを図るため、インドネシア会計基準であるPSAKを大幅に改定しました。この大幅改定は2020年1月1日から適用されます。

改定された内容は、金融商品の取り扱いに関するPSAK第71号、顧客との契約による収益に関するPSAK第72号、リースに関するPSAK第73号などが対象となっている。

インドネシアの金融監督庁(OJK)と会計基準審議会(DSAK)は、新しい国内会計基準が正しく運用されないと、財務や資本市場に悪影響をもたらす危険性があるとみているため、早期対応が必要となってくる。

 

2.今までのリース会計基準

リース会計基準には『ファイナンスリース』と『オペレーティングリース』という大きく二つの種類があります。

 

□ファイナンスリース

機械設備などを導入するにあたり、分割購入のような形をとること。
(所有権の移転の有無あり)

オペレーティングリースとの違いは、下記条件を満たす必要があることに加え会計処理に煩雑性があります。

【必要条件】

  1. 途中で解約できない(ノンキャンセラブル)
  2. リース料の総額が、物件の価格以上(フルペイアウト)

また、インドネシアでの適用の特徴は下記の通りです。

【インドネシアのファイナンスリースの特徴】

  1. リース料総額(元本+金利)が税務上、損金算入対象
  2. 最短リース期間が2年または3年であり、税務上早期償却が可能

 

□オペレーティングリース

機械設備などを導入するにあたり、リース期間満了時点の価値(残存価値)を明らかにし、代金からその価値を差し引いた部分のみをリース料として支払うこと。

【オペレーティングリースのメリット】

  • 必要に応じて、柔軟なリース契約が行える
    3年間という短期間でのリースも可能。途中解約も併せて可能。
  • オフバランス効果が得られる
    オフバランス効果といい、オペレーティングリース取引をする資産は、貸借対照表に計上する必要がありません。
    総資産にリース資産が含まれないので、ROAなどの経営指標をよく見せることができます。

 

3.変更後のリース会計基準

いままではオペレーティングリースの際オフバランス効果が認められていましたが、今回の大幅改定により機械などをオペレーティングリースしている場合も貸借対照表への計上が義務付けられました。

さらには、不動産の賃貸借についてもこの対象に含まれます。そのため、オフィスを賃借している企業は、賃借しているオフィスを使用権資産として、賃借料をリース負債として、資産もしくは負債に計上する必要が発生しました。毎年度の決算では使用権資産については減価償却費をおこない、リース負債については支払利息を計上することになります。

支払賃料として単純な処理できていたメリットや、経営指標をよくするといったことが不可能となるとともに、会計基準変更に伴う計上の変更を行わなければ、インドネシアでは外資企業において義務付けられている年次会計監査時、監査修正が必要などより煩雑になってきますので、早期の確認と対応が重要となってきます。

 

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東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
内野能活

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