【コロナの影響「大」】インドネシアの通貨について

平素よりご愛読いただき誠にありがとうございます。
東京コンサルティンググループ、インドネシア法人にて勤務しております、内野能活です。

今回は「インドネシアの通貨についてです」についてです。

 

【ルピア額の下落】

昨今のコロナウイルスの影響を受け、ルピアは現在1ルピア=0.0066と2018年11月以来の安値となっており、2018年11月以来の安値を記録しております。
下記チャート図をご参考ください。

参考:VALUTA FX オンライン通貨コンバータ

 

アジア通貨危機時まではいかずとも、今後も動向を追う必要があります。
特に人口の多いインドネシアにおいて、コロナウイルスがどこまで影響を及ぼすかは未だ検討がつかない段階となっております。

ロックダウンやインドのような外出禁止などのような措置が取られる場合、更なる下落も予想されます。

 

【貨幣価値下落による為替差損の影響】

・輸出企業の場合

売上は試算表に記帳するが、商取引は一般的には信用取引である売掛金にて後日の決済となることが多いです。

売上計上時の社内レートの決め方は、直近の一定日のレートまたは平均レートを使うなど、合理的な根拠がありかつ監査人が認める範囲内において決めることができます。
ただしこの社内レートは社内計上のためのものであり、実際に入金された際にはその時のレートを使用した上での計上が求められます。

例えば、その日のレート1ルピア=0.008円の日に1,000千ルピアの売上があった場合、売上と同時に入金があれば、売上金額は8千円となりますが、信用取引により入金が一ヵ月後となれば、その日まで売上代金は確定しません。

8千円と計上したが、実際の入金時のレートが0.006円なら6千円となり差額2千円の損が発生いたします。
これは「為替差損」として損益計算書(P/L)の営業外費用に計上されることとなります。

 

 ・輸入企業の場合

同様に輸入業者においてもルピア額の下落に基づき信用取引をおこない買掛金等が発生していると、計上と支払いのズレに起因して為替差損が発生することとなります。

例えば、1,000千円のモノを輸入した際1円=140ルピア時に計上し実際に決済をおこなったときは1円=155ルピアだった場合、15,000千ルピアが為替差損として計上されることとなります

 

輸入者が法人の場合、輸入通関時に法人税の前払法人税(PPh22)が必要となります。税率は一般的に7.5%と定められております。

また課税対象は下記三種類と設定されています。

  • 国庫及び政府関連による物品の引き渡し時
  • 輸入時または特定の営業活動をおこなう特定の法人
  • 贅沢品販売時に購入者から税金を徴収するための特定法人

輸入に伴う源泉税が発生した背景といたしましては、輸入をおこなう会社はインドネシア国内にて調達する会社よりも、大きな利益を確保できる会社であるという認識の基、前払にて納付する仕組みができたとされています。

当該PPh22については、年度末の確定申告の際に法人所得税の総額から税額控除ができるため、最終的には輸入に伴うコストにはなりません。
しかし利益が出なかった場合には、前払の納税額を還付申請する必要が発生し、インドネシアにおいて還付申請は労力を要するために注意が必要となります。

 

・考えうる影響

この為替差損により、利益率が低下し連結上での減益につながることや、それに起因して資金繰りを懸念され銀行からの借入においての審査が厳しくなるということも起こりえます。

コロナウイルスの影響がなくとも、こういった事態へ備えられるような体制づくりを常日頃から意識していきましょう。

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東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
内野能活

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