中国(上海)の飲食店について

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、前回に引き続き、中国(上海)の飲食店についてお話します。

二つ目の価格については、重要度や意味合いはほぼ日本と一緒で、どのようなコンセプトでどの顧客をターゲットにするかということが重要になります。徹底した低価格戦略か高級層を狙った戦略で成功している飲食店が多いです。低価格戦略で言えば、サイゼリアが挙げられます。サイゼリアは、パスタを9元(150円くらい)で提供しています。通常外資系が提供する一定のクオリティを保ったパスタは30元程するため、中国人にとっては衝撃的だったようです。サイゼリアは現在上海で58店舗あり(2013年8月末)、サイゼリア全体売上の3%を占めるほどにまで成長し(上海売上4,009百万円/2013年)、徹底的な低価格戦略で成功しています。高級層を狙った戦略での成功事例としては、くずし割烹、YAWARAGI On The BUND、鮨 大山、赤坂うまや等が多くあります。どれも一人当たり300~800元(5,000~13,000円程)します。

三つ目の雰囲気については、日本人よりも中国人の方がより重視する傾向があります。一人で食べに行くような飲食店は別ですが、夜数人で食べに行くようなお店は、日本よりも高級感のあるお店が多いです。価格帯が一人当たり2,500円ぐらいの日本料理屋になると、お店に人口の滝が流れていることが多いです。また、日本料理であれば、相撲の絵、竹、桜の枝など雰囲気作りに余念がない飲食店が多いです。そのような状況の中で、一風堂は、雰囲気作りで成功している企業といえます。一風堂のお店に入ると、お店の中はきれいな内装になっており、BGMはジャズの音楽が流れています。ラーメンのお椀もきれいな光沢のある紅色です。中国のローカルラーメン屋(兰州拉面【一杯110円くらい】等)は、あまりきれいとは言えないお店で、傷だらけのお椀にラーメンが入っています。一方、一風堂は中国人にとって新鮮で、いい雰囲気の中でラーメンが食べられるということで、評価が高いです。現在上海には5店舗あり、実際店内に入ると、女性客が圧倒的に多いことに気づきます。他の文献等で多く紹介されているため、ここでは割愛しますが、和民や味千ラーメン等も同様に、日本よりも高級感のある雰囲気があり、成功していると言えます。

次回、四つ目のサービスについてお話します。

以上

 

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