中国(上海)の飲食店について

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、中国(上海)の飲食店についてお話します。

日本と同様に中国の飲食店の入れ替わりは、とても激しいです。現在、中国では月に70、80件の新規開店があれば、その月に100以上の閉店する店があると言われています。実際上海では、2012年には、6,800店舗の飲食店が開店した一方で、7,000店舗の飲食店が閉店しました。(上海市食药监部门より)そのような環境の下で、ホームグランドではない日系の飲食店が成功するというのは、至難の業といえます。

中国(上海)で成功している飲食店を分析してみると、いくつかの成功要因がありますので、その内容と成功事例をご紹介します。日本における飲食店の成功要因としてよくあげられるのが、味、価格、雰囲気、サービス、立地等です。中国(上海)においても成功要因はほぼ同様なのですが、その重要視する度合いや意味合いが異なります。

まず、味について、例えば、日本食でいうと日本人シェフが提供する本格日本料理が流行るとは限りません。台湾では、日系が経営する日本料理店と地元企業が経営する日本料理店は、明確に区分され日系が経営する日本料理店が本格派として、人気があります。一方、上海では、一部の日本人駐在員の間では明確に区分されて扱われているものの、大部分の中国人にとっては同様の扱いです。日本人はおいしい寿司とそうでない寿司の区別はわかりますが、ほとんどの中国人にとっては、見分けることは不可能なのです。ところが、中国人でもおいしいとそうでないのが分かる食べ物は、本格派が成功する傾向があります。例えば、上海では、日本では見かけないWagasというコーヒー店があり、圧倒的においしいコーヒーとサンドウィッチを武器に上海で成功しています。もともとオーストラリア人が中国に来た時に、おいしいサンドウィッチがなかったため、開業した飲食店です。現在上海に15店舗以上あります。中国では、もともとパンやサンドイッチがありましたが、10年ほど前は、ほとんどのパン職人が家族内で引き継ぎが行われ、代々続いていたため、本当においしいパンやサンドイッチをまじめに作る職人がいなかったようです。中国人はおいしくないパンやサンドイッチに慣れていましたが、Wagasのサンドイッチを食べ、本当のおいしさに気付き、現在Wagasが流行っているのです。

次回、価格についてお話します。

以上

 

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