中国のM&Aの動向

中国と言えば、安価な労働力及び巨大なマーケット規模など、外国投資にとって魅力的な国です。ただ、中国の透明性の低い法制度や政治圧力など、外資にとって脅威も多々あります。中国の外資制度は近年著しく発展しました。2001年12月11日の世界貿易機関(WTO)の加盟により、中国は国内市場を更に開放することになりました。この加盟によって、法の支配及び外資にとっての投資環境が改善されたと考えられています。更に加盟に伴う法律および規制の改正の中に、中国のM&Aの促進を目的とするものがあり、外資規制が厳格な分野における企業買収が頻繁に行われています。そして2006年、中国はM&A分野における多数の新法制の導入を行い、TOB規制と外資による国内企業の買収規制に対する改正が実施され、これらの新法制は中国のM&Aに対して重大な影響を与えています。

日本企業によるM&Aによる中国進出の代表例としては、NECによる北京長益信息科技集団の51%の株式譲渡や、丸紅によるアジアクリスティン国際(上海)への16.2%の株式譲渡、及び日興アセットマネジメントによる融通の40%の株式譲渡などがあります。

これらの例の特徴として、いずれもプライベート・トランザクションとしての株式譲渡の形式で行われ、更に出資割合に関する外資規制を主な理由としてマイノリティ出資でストップしております。今後も発展し続ける中国にどの企業も注目していますし、法的な自由化も進められていると言われています。

中国現地法人駐在員 高橋斉志

関連記事

ページ上部へ戻る