中国の土地バブル

こんにちは、中国・上海の田中勇です。

本日は中国の土地バブルについてお話しします。

夜、上海を歩いていると、ほとんど明かりがついていないマンションが多くあることに気が付きます。住宅用ではなく投機目的の部屋が多いことが要因だと考えられますが、真っ暗なマンションを見ると少し不気味な雰囲気があります。また、開発地区に行くと建築中のマンションが並び、今後も多くのマンションが作られようとしております。言わずと知れた中国の土地バブルを思わせる光景です。ここで、実際の土地バブルの状態はどうなっているのか。そして、バブル崩壊を含めたチャイナリスクに企業はどのような対応をしていくべきなのかをお話しします。

【天山路×水城路近くのマンション】

日本のバブルは1980年代中旬から1990年前後までの期間をいい、バブルが崩壊したのは1990年前後と言われております。日本で顕著に土地価格が上がってくるのは1987年ごろです。1990年時点には、首都圏の分譲住宅価格の世帯年収倍率が10倍まで跳ね上がります。バブルが崩壊した後は、一気に土地価格が急落し、現在では6倍前後となっております。一方、中国においては、都市別にみると北京で約17倍、海南で約16倍、上海で約13倍になっており、明らかにバブルの状態だと言えます。ところが、福建省や四川省等の中小都市では6倍前後であり、バブルの状態になっているのは、一部の発展した都市のみであるとの見方もできます。

【日本における分譲住宅価格の世帯年収倍率の推移】

「首都圏の住宅価格の年収倍率の推移(国土交通省)、平成21年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)」を基に作成

バブルの状態であるのは中国の一部の都市であるにしろ、今後バブル崩壊がいつ起きてもおかしくありません。一般的には、不動産バブルと住宅ローンの急増が一致すると、金融危機が発生する可能性が高くなります。ここで、中国住宅ローンは10年間で200数倍になっていることから(中国建設銀行による)、非常に危険な領域に突入していると言えます。ただし、今のところ、いつ金融危機が起こるかというは何とも言えません。中国政府も金融危機についての法制度を構築しているからです。「一部の都市における住宅価格の急騰を断固として抑えることに関する通知」(2010年4月17日に国務院発令)に見られるように、3軒目の住宅購入に対する住宅ローンを停止させる規制を制定するなど、中国政府も金融危機を食い止めようと必死になっているのです。いずれにしろ、中国へ巨額の投資をしている日本にとって、中国の金融危機は大きな打撃となるため、バブル崩壊を前提に入れた対策が必要になるでしょう。

企業が取っておくべき対策としては、まず、中国都市を分析した上での戦略が重要です。土地バブルの状態でお分かりのように、中国は都市ごとで経済状況が全く異なります。さらに、人間性や言葉までも異なるところがあります。例えば、上海市と安徽省(上海から少し西へ進んだところにある省)の一人当たりGDPは3倍以上異なります。また、唯一反日運動が起こらなかった大連市。今後、大連市は親日の中国都市として注目の都市になっていきます。次に、中国以外の国を見据えた視点を持つことも重要です。例えば、ローエンドの製品を製造する基地としては、ミャンマーやバングラデシュが有力候補です。人件費は50ドル/月で低く、国民性も日本と相性が良いからです。カンボジアとラオスもいいですが、人口がそれぞれ1,400万人、630万人と少なく、労働賃金がすぐに上昇しやすい点が難点と言えます。

以上です。

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