こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。
Q,
海外金融機関や親子ローンなどにより海外から資金調達を行う際には、外債登記金額の限度額(投注差(総投資額-登録資本金)等)が決められておりますが、外債に該当しない、中国国内の銀行から中国元で借入れる場合には借入上限額の規制はないでしょうか。
A,
借り入れには下記の形態があります。
① 海外の親会社や海外金融機関からの借り入れ
② 中国内の銀行からの借り入れ(親会社の保証あり)
③ 中国内の銀行からの借り入れ(親会社の保証なし)
投注差方式による外債登記を行う必要があるのは、海外からの借り入れ(①)のみです。
したがって、中国国内からの借り入れの場合は外債登記を行う必要がありません。
ただし、中国国内からの借り入れで親会社が保証を行っている場合は、その保証が履行されたさいに外債登記を行う可能性があります。
従来は、海外機構(親会社)が保証を履行する際に、外債登記が要求され、その際には当該金額を含めた外債残高合計が海外からの資金調達限度額である投注差以内となる必要がありました。つまり、保証履行金額が投注差を超過すると、超過部分の外債登記が認められませんでした。
しかし、匯発[2014]29号の施行に伴い、海外機構(親会社)が行う保証履行に対して外貨管理局による対外限度額管理の条項が削除されました。
ただし、保証履行により発生した対外債務は、前年度末の監査済純資産額を超過してはならないとあります。超過した場合には、従来通り外債登記枠を費消することになりますので、注意が必要です。