中国の開発区について

こんにちは、中国・上海の小林です。

今回は、中国における経済特区の役割を果たしている、開発区についてお話したいと思います。

中国では1984年の改革開放路線以降、外国投資の誘致のため各地に開発区を設立しました。

開発区は正式には、国家級経済技術開発といい、1984年に沿岸都市を中心に14つの開発区が指定されたのを皮切りに、その後内陸部も含めて現在まで100以上の国家級の開発区が中国にはあります。今年だけでも、泉州台商投资区、漳州台商投资区、晋中经济技术开发区、浏阳经济技术开发区、义乌经济技术开发区、州经济开发区、龙岩经济技术开发区、海安经济技术开发区、余杭经济技术开发区、阿拉尔经济技术开发区、鄂州葛店经济技术开发区、遂宁经济技术开发区、五家渠经济技术开发区、新乡经济技术开发区の14の開発区が新設されています。

その他にも、国家級ではなく省・市級の開発区も登場し、それらは数千もの数がありますが、インフラの未整備や計画途中で建設が止まっているものも多くあるといわれています。

開発区の特徴として、税制を中心とする各種優遇が挙げられ、開発区ごとに享受できる優遇の内容も異なります。また、優遇の対象業種が限られる開発区や、輸出割合が一定以上の場合にのみ優遇が受けられるといったルールも細かいこともありますので、開発区に会社等の設立を行う場合は、自社の事業内容や事業規模に応じてどのような優遇が受けられるのかをよくシミュレーションしてから決定を行う必要があります。

開発区に似た、対外経済開放区として、高新技術産業開発区(ハイテク産業の誘致を目的とした区域)や保税区(対海外の貨物の出入りについて関税が免除される区域)、輸出加工区(輸出を主に行う、製造業や関連の倉庫・物流業の誘致を目的とした区域)などがあります。これらも区ごとに優遇政策、またその内容が異なりますので、開発区と同様によく検討したうえで活用することが望まれます。

私の滞在している上海においても、国家級・市級の開発区や、高新技術産業開発区、保税区、輸出加工区が約20存在します。それぞれ特徴がありますので、専門家や開発区の担当者との面談(日本語専門の人員をおいている区もあります)を通して、メリットやデメリットを検討することが重要です。

以上です。

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