発票主義と発生主義

こんにちは、中国・上海の田中勇です。

本日は発票主義と発生主義についてお話しします。

中国においては、毎月の会計・税務の処理すべてを発票主義で行っている会社があります。発票とは、日本でいう領収書のことです。領収書ベースですべて処理した場合は、現在の会社の売上や費用認識などがすべて現金受取ベースになってしまいます。その結果、取引ベースで売上原価管理が困難になり、経営分析等に支障をもたらします。

規定上、会計処理は発生主義(企業会計準則第14号)、企業所得税も発生主義(国税函[2008]875号)、増値税は入金・発票主義(増値税暫定条例第19条)となっております。

会計 企業所得税 増値税
原則 発生主義 発生主義 入金・発票主義
参考規定 企業会計準則第14号 国税函[2008]875号 増値税暫定条例第19条

実務上、発票主義で会計処理を行う会社が多数派です。その理由としては、『発票がないと会計計上もできない』という会計担当者の判断、税務局からの指摘を避けるための防衛策などがあります。

しかしながら、少なくとも上海、天津、広州、大連等では、会計・企業所得税は発生主義での処理が認められてきております。ただし、税務局とのコンセンサスを得ることが重要です。したがって、発票受領の確実性があることと発生主義で処理する正当性があるという説明をする必要があります。

以上です。

関連記事

ページ上部へ戻る