こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、中国の個人所得税の計算②Q&Aについてお話します。
Q1、給与が増えたのに手取りが減った月がありました。なぜですか。
A1、個人所得税の影響があると考えられます。前回お話したように、中国は累進課税制度を採用しており、独特の計算方法(税率変動と速算控除額で税額を調整)を行い、個人所得税を計算します。したがって、給与総額と個人所得税額の増減が一致しないことがあります。下記は給与総額と手取額の相関関係を示した図です。(外国人の場合)
賞与の計算においては、給与総額と個人所得税額の増減が一致しない場合、税額が大きく異なり、手取り額に大きな影響を与えます。例えば、賞与金額が54,000元と54,012元の場合では、税額がそれぞれ、5,295元、10,247.4元となります。
【計算詳細】
ケース①賞与金額:54,000元の場合
一、適用税率・速算控除額の決定
賞与金額54,000元 ÷ 12 =4,500元
※賞与金額を12で割り、その金額を「個人所得税の適用税率表」に照らし、税率を決定。
よって、税率10%、速算控除額105元
「個人所得税の適用税率表」
http://www.csj.sh.gov.cn/pub/ssxc/zlzy/zcgll/grsds/200903/t20090331_283354.html
二、税額計算
賞与金額:54,000元 × 10% - 速算控除額105元 = 5,295元
ケース②賞与金額:54,012元の場合
一、適用税率・速算控除額の決定
賞与金額54,012元 ÷ 12 =4,501元。よって、税率20%、速算控除額555元
二、税額計算
賞与金額:54,012元 × 20% - 速算控除額555元 = 10,247.4元
給与額が増えても手取額が減れば、従業員のモチベーションに大きな影響を与えることになります。そのようなことがないよう、給与計算のシュミレーションを行うことをお勧めます。
以上です。
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