キャッシュ・コンバージョン・サイクルについて

こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週は会計について記載いたします。

 

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(Cash Conversion Cycle、以下CCC)とは、掛け取引において、掛け仕入れによる支払い(キャッシュ・アウト)から、掛け売上による入金(キャッシュ・イン)までの日数のことで、通常の事業活動においてどの程度のキャッシュが必要かということを考えるうえで重要な財務指標で、つまり、この日数の間に必要となるキャッシュを運転資金で賄う必要があります。

 

CCCは、以下の計算式によって算出することができます。

「DIO(棚卸資産回転日数:Days Inventory Outstanding)」

+ 「DSO(売上債権回転日数:Days Sales Outstanding)」

  「DPO(買入債務回転日数:Days Payable Outstanding)」

= CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)(日数)

 

ブラジルにおいては、景気および定期預金金利と物価の変動が著しい時期もあるため、CCC日数の短縮を重要な財務戦略と考える傾向があります。これは、手元のキャッシュが増えることによって、定期預金や金融商品に投資をすることによる利息収入を増やすと同時に、売掛債権の回収期間を長期化したことによる貸し倒れのリスク増加を抑えることになります。上記計算式の通り、CCCは棚卸資産回転日数を短縮し、売上債権に回収日数を早め、買入債務の支払日数を遅らせることで日数が減ることになります。このうち、売上債権の回収と買入債務の支払いについては、クライアントとの交渉が必要となります。

ブラジル企業、特に政府系企業との取引においては、上述のCCC短縮のメリットを踏まえ、有利な条件で交渉を進めることが、事業の成功において重要な要素となります。既存顧客との取引条件の見直しや、新規顧客との取引条件交渉において、CCCを一度算出し、自社にとってのインパクトを評価することをお勧めいたします。

 

以上

 

 

 

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