バングラデシュに欠けているもの

世界最貧国のひとつと言われているバングラデシュですが、日本人がイメージしている様に必ずしも皆が貧しい生活をしている訳ではありません。それどころか近年増加している中産階級以上の人たちは、日本人などよりよほど豊かな生活をしていると言えるかもしれません。
何しろ物価や人件費が安いこの国では、中産階級以上の人たちは立派な一軒家やマンションに居を構え、家事全般は家政婦を雇って代わりにやってもらい、自動車の運転も専属のドライバーにしてもらっているのですから。
日本人の多くが狭い住宅で生活し、高い物価に悩みながら日々掃除洗濯炊事に追われ、車の運転も全て当たり前のように自分でこなしている事を考えると、果たしてどちらの生活の方が良いのかと問われた時には思わず答えに詰まります。
このように、近年経済の発展したバングラデシュでは大抵の物は手に入ると言われています。しかし、そんなこの国に欠けているものが「技術」と「ルール」です。

「技術」力において他国より大きく劣っているこの国では、様々な自動車や電化製品の大半が外国からの輸入品です。特に、バングラデシュで使用されている自動車は7割が日本車と言われていますが、その価格は高関税により日本よりむしろ高い場合が有ります。物価が安いと言われるバングラデシュですが、輸入品に関しては必ずしもそうは言えません。それにも拘わらず、車が大量に売れて都市が大渋滞に悩まされているのもこの国の現在なのです。

もう一つ欠けているものが「ルール」です。自動車に限ってみても、交通ルールは有れどほとんど守られていないのがこの国の特徴です。自動車が引っ切り無しに走り回り、横断歩道も信号機も限られているこの国では、道路を渡るだけでも気が抜けません。
こうした規則遵守の意識の低さは交通事情のみならず、行政サービス全般に表れています。秩序意識が高いと言われる日本人にとって、この国でストレスなく様々な手続きを済ませるのは難しいという事を、まず認識する事が必要かもしれません。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

関連記事

Eビザの取得について③

バングラデシュの税務

ページ上部へ戻る