2013年8月の投資環境

こんにちは。バングラデシュ駐在員の佐伯です。

 バングラデシュはNEXT11の一角を担い、経済の潜在能力の高い国として知られていますが、今一つ投資が伸びません。

確かに市場魅力は非常に高いものがあります。
人口は1億6,000万人を超え、バチカン市国などの都市国家を除けば人口密度は世界第1位を誇ります。首都ダッカは面積約800㎡、人口約1,500万人と、東京都よりも面積が狭いうえに人口も上回るといった過密ぶりです(東京都面積約2,000㎡、人口約1,300万人)。アパレル大手のユニクロはバングラデシュで製造拠点を設けていますが、さらに2013年7月にはグラミンユニクロとして国内で小売業をスタートさせています(社会貢献型の格安店)。アパレルだけでなく、自動二輪大手のホンダも2013年に二輪車の販売を始めました。

さて、ここまでの魅力があるにも関わらず、なぜ投資が伸びないのでしょうか。日系だけでなく、2013年にはディズニーが生産を打ち切るなど、欧米企業のバングラデシュ離れが進んでいます。大きな問題はリスクが高く、予想外の費用が掛かることが考えられます。まずホッタルと呼ばれるゼネラルストライキが頻繁に起こり、その日は経済機能が麻痺します。日系企業への被害が稀ですが報告されており、またデモ参加者の中で死亡者が発生することも間々あります。そのためホッタル中は会社を臨時休業するケースが多く見受けられます。2013年12月に国政選挙の予定があり、この時期まではホッタルが多く起こると予想されるでしょう。ホッタル以外にも、日本でも取り上げられた2013年4月の建物崩壊で1,000人以上死亡した事故が発生するなど高リスクなことは否めません。さらにインフラが充実していないため、洪水による冠水、停電、水不足など生活面での不便はどうしても感じることでしょう。

リスクをとるか、先行投資をとるか天秤にかけて進出を決定していかなければなりません。

以上

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