皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループバングラデシュ拠点の塚田 涼太です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
今回は「存在感を増す中国資本 ―バングラデシュ経済への浸透―」についてお話していこうと思います。
FDI第2位の背景
バングラデシュ投資開発庁(BIDA)のデータによると、中国はバングラデシュ向けFDI(外国直接投資)の国別ランキングで第2位の座を占めています。2023年度の中国からのFDI流入額は約4.8億ドルに上り、前年度から大幅に増加しました。
背景には、米中貿易摩擦を受けた中国企業の生産拠点多角化戦略、バングラデシュが享受するGSP(一般特恵関税制度)の活用、そして低廉な労働コストがあります。
インフラ請負から製造業投資へ
かつて中国のバングラデシュ関与は、パドマ橋関連道路や発電所など大型インフラのEPC(設計・調達・建設)請負が中心でした。しかし近年は、中国企業自身が工場を設立し製造業に直接参入するケースが急増しています。
特に繊維・アパレル、皮革製品、タイヤ・ゴム、電子部品組立の分野で投資が目立ちます。The Daily Star(2026年8月2日付)によると、中国系繊維工場の新設は過去2年で倍増しており、一部はバングラデシュを輸出プラットフォームとして活用しています。
CEIZ・モングラ港経済特区
中国専用の経済特区として、CEIZ(Chinese Economic and Industrial Zone)がチッタゴン近郊のアンワラに設置されています。約800エーカーの敷地に中国系企業が入居し、税制優遇やワンストップサービスの恩恵を受けています。
また、モングラ港経済特区にも中国資本の進出が進んでおり、南西部の物流ハブとしての機能が強化されつつあります。これらのゾーンでは、法人税免除や関税減免など手厚いインセンティブが提供されています。
サプライチェーン再編と中国の位置づけ
グローバルなサプライチェーン再編の中で、「チャイナ+1」戦略を採る欧米バイヤーが増加する一方、中国企業自身もバングラデシュを「チャイナ+1」の受け皿として活用しています。
中国から原材料や中間財を輸入し、バングラデシュで最終製品に加工して欧米へ輸出するモデルが拡大しており、バングラデシュの対中貿易赤字も拡大傾向にあります。
日本企業のポイント
- 経済特区の選定:中国系企業が集中するCEIZやモングラ以外にも、日本専用のアライハザリ経済特区があります。進出先の選定にあたっては、インフラ整備状況や税制優遇の比較が重要です。
- サプライチェーン上の競合と協調:中国系サプライヤーの増加は、調達先の多様化メリットがある一方、同業種での競合激化のリスクもあります。
- デューデリジェンスの強化:合弁や取引先選定において、所有構造やコンプライアンス体制の確認が一層重要になっています。
まとめ
中国のバングラデシュ経済への関与は、インフラ請負から製造業への直接投資へと質的に変化しています。経済特区を拠点とした中国系企業の集積は、バングラデシュの産業構造に大きな影響を与えつつあり、日本企業にとっても競合・協調の両面で注視すべき動向です。
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東京コンサルティングファーム バングラデシュ拠点
塚田 涼太