インド進出支援

プネ進出

プネ進出のメリット

1.高度な教育を受けた若く優秀な労働市場

プネはムンバイと同じマハラシュトラ州に所属しています。「東のオックスフォード」として知られる学術都市で、インド国内のみならず、世界中から優秀な学生が集まってきます。
プネ進出の特筆すべきメリットは、日本語教育が盛んであるということです。日本語能力試験の受験者数がインドの都市で最も多く、2~3万人中1割が日本語検定1~2級を習得しているといわれています。このため、プネに進出した日系企業は、2010年には198社でしたが、2015年には712社と急激に増加しました。

2.マハラシュトラ州の積極的な投資誘致政策

マハラシュトラ州は2013年1月に、産業誘致政策(Industrial Policy of Maharashtra,2013)を公表し、さらなる企業の進出を促しています。主な政策として「ウルトラメガ投資」という新たな区分の下で、VAT・CSTの還付を含めた産業誘致補助金、電力税の免除など、大規模企業と中小・零細企業それぞれに応じた優遇措置が設定されています。
プネ進出のメリットは、ムンバイに比べてビジネスコストが安いことです。ムンバイは古くから商業都市として栄え、現在では金融業の中心地ですが、ビジネスコストが高く、製造業には不向きといわれています。しかしプネは、内資外資問わず大企業の製造拠点が集積し、特に日系企業に関しては、スパ日本企業専用工業団地という、日印間で署名された「日本工業団地」の一つがあります。このほかにも、チャカン工業団地や5つの巨⼤ITパーク (Hinjewadi, Talwade, Kharade, Pune IT Park, and Magarpatta City)など、様々な工業団地が設置されています。

3. 恵まれた立地とインフラ

マハラシュトラ州は、北部のデリーと南部のバンガロール、チェンナイの間に位置し流通網が整備されており、古くから物流の要所として栄えてきました。これに加えて、デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC:Delhi-Mumbai Industrial Corridor)が進み、首都デリーと商都ムンバイの経済的連結が強まります。
プネ進出は、このプロジェクトの恩恵に加えて、日印共同の地域開発プロジェクトであるチェンナイ・バンガロール産業回廊構想のメリットも期待できます。製造業・IT産業が多く進出し、世界の工場となりつつある、インド最大の消費地・輸出拠点の2拠点を結ぶハブとして、プネはこれから更なる発展を遂げることが期待されます。

プネ進出の注意点

1.高いビジネスコスト

プネには、タタ・モーターズのような内資から、トヨタ、フォルクスワーゲンのような外資の大企業が、いくつも進出しています。しかし、プネのあるマハラシュトラ州は、ビジネスコストが高いことで有名です。例えば2011年度の名目GDPは、インド最大の消費地であるデリーの約4倍もあります。これはそれだけ人件費が高いことを示しており、また外資の進出に伴いさらに賃金が上昇していくことが予想されます。 インドの優位性はあくまで市場としてのものであり、生産コストは中国と比べても高いというのが現状です。こうしたことから、DMICによる輸出拠点としてのインドという発想に違和感を覚える外資系の企業も少なくないようです。

2.複雑・煩雑な制度

インド進出において最も注意すべきことは、州や地域において言語、文化、生活習慣が異なることです。州の権限が非常に強く、州ごとに規制や税制も異なります。例えば州ごとに管理・運用される制度として、州またぎ税(CST)等があります。税制・法制が複雑で、その分手続きなども煩雑になります。また、CSTによって流通の便の良さもメリットが享受しにくい可能性があります。
プネ進出の注意点は、マハラシュトラ州の優遇政策の恩恵を、一部地域で受けることができないものがあることです。例えばCSTの還付は、ムンバイ周辺のナシック地域では受けることができません。

3. 優遇政策の曖昧さ

インドには、進出企業に対する優遇政策が、他の成長国に比べて充実しておりません。Budgetという政府が毎年2月に発表する予算案で、毎年税制改正等が行われますが、その改正が末端の役所まで追い付かないという事態が頻発しています。このため、苦労して新制度に適応したとしても、役所の手続きが追い付いていないため不備・遅延につながり、思うようにビジネスが進まない可能性があります。またITパークや工業団地という制度は作られましたが、ルールや手続きの不備によって開発が遅延している場所も見受けられます。進出をする際は、対象地域の法令や慣習など、多くのことを事前に調べる必要があります。

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