こんにちは、ベトナム、ハノイ駐在員の浅野です。
Q, ベトナムに駐在しています。通勤、営業の移動及びプライベートにおいてバイクの使用を考えています。注意する点はありますでしょうか。
A, ベトナム人にとってバイクは、最も多く利用される交通手段です。最近は、現地の日本人の間でもバイクを使用している方が増えています。ただし、現地で日本人がバイクを運転するにあたり、注意しなければならない点がいくつもあります。最も考慮しなければならないのは、安全面です。特にハノイを中心とする北部の交通の状況は、非常に危険であると言わざるを得ません。交通ルールがあることはあるのですが、守られないことが非常に多く、信号無視、逆走、一方通行無視、飲酒運転、といった交通違反は、日常で当然のように行われています。交通違反の取り締まりを行う公安(日本でいう警察)もいることはいるのですが、一定のポイントでの取り締まりが多く、日本の白バイのような取締りはあまり行われていないという印象です。路地からのバイク、自転車、人の飛び出しも多いです。子供が道のすぐ横でよくボール遊びをしていて、ボールが道に転がってきたり、子供がボールを追って飛び出してきたりということもあります。また、道路状況が非常に悪く、舗装されていてもでこぼこであったり、道路に50センチメートル四方ほどの穴があいていたり、恐らく工事中なのか、マンホールが開けたままになっているということもあります。危険な運転をする車やバスの運転も多く、こちらが安全運転をしていても、巻き込まれるというリスクもあります。よって、当然のように、たくさんの事故が発生しています。日本人がバイクの運転をする場合、自分自身が安全に運転していたとしても、外発的な要因で、事故に巻き込まれる可能性が高いということがいえます。次にバイクの保守、管理についてですが、道路状況が非常に悪いため、タイヤが傷むスピードが速く、かつ、仮に運転中にパンク等のトラブルが起こってしまった場合は、ベトナム語の堪能とはいえない日本人が自力で突然のトラブルに対処することは非常に難しいといえます。道路には、パンク修理や簡単なバイクの修理を行っているベトナム人がよくいるのですが、コミュニケーション等で障害になることもあります。また、中古や譲り受けたバイクの場合は、メンテナンスが十分でない場合や事故車である可能性が高く、故障し易いということもあります。また、バイクの盗難も非常に多く、ショッピングモールの駐車場で盗難にあったり、日本食レストランの前に駐車していたにもかかわらず、盗難にあったということも聞きます。ベトナムの生活において、バイクは、非常に便利ではあるのですが、実際にバイクの運転をする場合は、様々なリスクを検討する必要があります。また、当然ながら、会社規定、駐在員規定等において駐在員の現地での乗り物の運転を禁止している企業も多数あり、自社の規定の状況を確認するということも必要です。
以上