ベトナムの自動車市場②

今回のブログは前回に引き続き、ベトナムにおける自動車市場及び自動車業界の動向について書きたいと思います。
ベトナムの自動車の市場規模は、ここ数年間、年間15万台ほどで推移しています。内訳は、国内製造10万台ほど、残りが輸入車となります。
ベトナムでは、現在12社の外資系自動車メーカーが進出しています。その内日系は、トヨタ、スズキ、三菱(現地企業との合弁)、いすず、ホンダ、日野が進出しています。これら外資系ベトナム国内の乗用車のシェアは、トヨタが圧倒的となり、2012年の上半期は、53%を占めました。
ただし、これら外資系自動車製造業は、いずれも製造レーンは組立のみとなっており、タイやインドネシアの自動車産業の集積が進む中、一方ベトナムにおける自動車業界の発展の可能性は低いと予想されています。
現在、ベトナムの完成車の輸入税は、72%~82%となっており、これが輸入障壁となり、今までは高品質で低価格な近隣諸国からの輸入車との競争を避けることができていました。しかし、2018年にはアセアン域内で完成車の輸出入関税がゼロになります。ベトナムでは、自動車の部品の現地調達比率が1桁であり、多くの部品を輸入する必要があり、ベトナムでの自動車生産は割高となります。このため、2018年に関税がゼロとなったときに、タイやインドネシアから高品質で低価格な完成車が輸入されることになり、ベトナム国内で自動車生産をすることが難しくなります。
ベトナム商工省によれば、2015年に16.6万台~23.5万台の新車、2020年に24.6万台~34.7万台の新車、2025年に59.2万台~83.6万台の市場が形成されると計算されています。一人当たりの所得が3,000ドルを超えたあたりから、モータリゼーションが起こると言われていますが、ベトナムはモータリゼーションが起こるまでに自国の自動車産業を発展させることができなければ、2025年の時点で自動車輸入のために毎年120億USDを支払うことになります。

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